生活費の分岐点

電気代の内訳は4行。うち1行は乗り換えても下がらない

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電気・ガス 公開 2026-10-15 データ取得 2026-09-06

乗り換えても下がらない部分が月 1,254円 月300kWhの再生可能エネルギー発電促進賦課金

この記事の根拠

  • 独自集計 再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は4.18円/kWhで、2026年5月分から2027年4月分まで適用される 小売電気事業者が約款として公表している賦課金単価のPDF。適用年月が明記されている / 2026-09-06取得
  • 独自集計 月300kWh・30Aの内訳は基本料金935円・電力量料金9,988円・燃料費調整額−2,790円・再エネ賦課金1,254円で、合計9,387円になる 東京ガス「基本プラン」の料金表(取得日2026-09-05)と、上記の賦課金単価(取得日2026-09-06)から計算 / 2026-09-05取得
  • 独自集計 政府の電気・ガス料金支援が終わると燃料費調整単価は−9.30円から−5.80円になり、月300kWhで1,050円上がる 東京ガス「基本プラン」の燃料費調整の記載 / 2026-09-05取得
  • 独自集計 政府の支援を燃料費調整に織り込む会社と、電気料金の総額から割り引く会社がある 東京ガスとオクトパスエナジーが公表している燃料費調整の算定要素と、支援の適用先の記載 / 2026-09-06取得
  • 独自集計 契約アンペアの概念が無く最低料金制をとっているのは、関西・中国・四国のエリアである 1社の料金表を9エリアぶん取得し、最低料金の注記があるエリアを数えたもの / 2026-09-06取得

データの取得方法と計算の方針

検針票には4つの行が並んでいます。基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金です。

このうち1行は、どこの電力会社に乗り換えても1円も変わりません。

月300kWhを実額に分解する

東京ガスの基本プラン(30A契約)で計算しました。税込です。

この表は「2026年9月使用分(請求の10月分)」です。 政府の電気・ガス料金支援が入っている最後の月にあたります。支援は9月使用分で終わるので、請求の11月分からは下の表の形が変わります(燃料費調整額が−5.80円/kWhになり、合計は10,437円。電力量料金の比は95.7%で、合計を上回らなくなります)。支援が外れたあとの表は、この記事の後ろにあります。

行 額 合計9,387円に対する比 乗り換えで動くか
基本料金 935円 10.0% 動く
電力量料金 9,988円 106.4% 動く
燃料費調整額(差し引き) −2,790円 −29.7% 動く
再エネ賦課金 1,254円 13.4% 動かない
合計 9,387円

燃料費調整額がマイナスなのは、平均燃料価格が契約で決めた基準燃料価格を下回っているためです。 下回った分は請求から差し引かれます。上回れば足されます。

差し引く行があるぶん合計が小さくなるので、電力量料金の9,988円は合計の9,387円を上回り、比は106.4%になります。 1つの行が合計より大きく見えたり、比がマイナスになったりしたら、まず燃料費調整の符号を見てください。

動かない1行

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、法律で決まる全国一律の単価です。

再生可能エネルギーで発電された電気を、電気事業者が一定の期間・価格で買い取ることを義務づける制度があり、その費用を電気を使う全員で負担しています。単価は国が決めます。

100kWh 100kWh: 5,016円 5,016円 200kWh 200kWh: 10,032円 10,032円 300kWh 300kWh: 15,048円 15,048円 400kWh 400kWh: 20,064円 20,064円 500kWh 500kWh: 25,080円 25,080円 600kWh 600kWh: 30,096円 30,096円
再生可能エネルギー発電促進賦課金の年額。単価は全国一律で4.18円/kWh、どの電力会社に乗り換えても変わらない。月300kWhの家庭で年15,048円。小売事業者が約款として公表しているPDFから取得(適用は2026年5月分から2027年4月分まで)。
使用量 月 年
100kWh 418円 5,016円
200kWh 836円 10,032円
300kWh 1,254円 15,048円
400kWh 1,672円 20,064円
500kWh 2,090円 25,080円
600kWh 2,508円 30,096円

単価は4.18円/kWh(消費税相当額を含む)で、2026年5月分から2027年4月分まで適用されます。

乗り換えの案内でこの行が「安くなる」と書かれていたら、その案内は誤りです。 会社を変えても、単価も額も同じです。

使用量ごとの内訳

横にスクロールできます

使用量 基本料金 電力量料金 燃料費調整 再エネ賦課金 合計
100kWh 935円 2,970円 −930円 418円 3,393円
200kWh 935円 6,419円 −1,860円 836円 6,330円
300kWh 935円 9,988円 −2,790円 1,254円 9,387円
400kWh 935円 13,938円 −3,720円 1,672円 12,825円
500kWh 935円 17,888円 −4,650円 2,090円 16,263円
600kWh 935円 21,838円 −5,580円 2,508円 19,701円

4行のうち、使用量で変わらないのは基本料金です。 契約アンペアで決まる固定額で、上の表でもどの行も935円のままです。

1kWhあたりに直すとこうなります。

使用量 合計 1kWhあたり
100kWh 3,393円 33.93円
200kWh 6,330円 31.65円
300kWh 9,387円 31.29円
400kWh 12,825円 32.06円
500kWh 16,263円 32.53円
600kWh 19,701円 32.84円

使う量が増えると、固定の基本料金が薄まって1kWhあたりは下がります。ただし300kWhを超えると電力量料金の段階が上がるので、そこから先は再び上がります。 いちばん低いのは300kWhの31.29円でした。

下がり幅の大半は200kWhまでに出ています(100→200kWhで2.28円、200→300kWhで0.36円)。

これは1kWhあたりの話です。 総額は使うほど増えます。200kWhの6,330円は300kWhの9,387円より3,057円少なくなります。

政府支援が外れると、どの行が動くか

東京ガス 基本プランでは、政府の電気・ガス料金支援が燃料費調整額の行に織り込まれています。 支援の対象は2026年9月使用分までです。

行 支援があった間 支援が外れた後
基本料金 935円 935円
電力量料金 9,988円 9,988円
燃料費調整額 −2,790円 −1,740円
再エネ賦課金 1,254円 1,254円
合計 9,387円 10,437円

燃料費調整単価は−9.30円で、うち3.50円が支援分です。これが外れて−5.80円になるため、月300kWhで1,050円上がります。 動くのはこの1行だけで、他の3行は変わりません。

請求額が上がったとき、値上げがあったのか支援が外れたのかは、燃料費調整額の行だけを前月と比べれば分かります。

なお、会社によっては支援を燃料費調整ではなく電気料金の総額から割り引いていました。その場合、燃料費調整額の行は動かず、別の行に「割引」として出ます。どちらの方式かは検針票の記載で分かります(電気代の補助金はいつ終了?対象は9月使用分まで)。

検針票の見方

自分の請求書で確かめる手順です。

1. 使用電力量(kWh)を探す

すべての計算の起点です。この数字がないと、どの行も検算できません。

2. 再エネ賦課金の行を、使用電力量で割る

4.18円前後になるはずです。ずれていたら、適用期間が違う(2026年4月分以前)か、行の読み違いです。

3. 燃料費調整額の行を、使用電力量で割る

これが自分に適用された燃料費調整単価です。 乗り換え先の料金表に載っている単価と符号や桁が違っていても、それだけでは何も分かりません。会社ごとに算定式が違うためです。

4. 基本料金の行を見る

契約アンペアが書かれています。契約アンペアの概念が無い場合もあります。1社の料金表を9エリアぶん見たところ、最低料金制をとっていたのは関西・中国・四国のエリアでした。

5. 残りが電力量料金

合計から1〜4を差し引いた額が電力量料金です。燃料費調整額がマイナスのときは、引くのではなく足し戻す形になります。上の例なら9,387−935−1,254+2,790=9,988円です。ここが一番大きく、下げる余地があるのもここです。

比べるときに揃えるもの

会社を比べるなら、行ごとではなく合計で比べてください。行ごとに比べられない理由が2つあります。

燃料費調整の算定式が会社ごとに違います。 換算係数・基準燃料価格・基準単価が別々なので、同じ月・同じエリアでも符号が逆になります。実際に計算したものが燃料費調整単価の比較は意味がない。16.05円ずれた理由にあります。

基本料金の課金単位が違います。 月額の会社と、日額の会社があります。日額の会社は月の日数ぶん請求されるので、31日の月と28日の月で額が変わります。

再エネ賦課金だけは、どの会社でも同じ額です。比較のときは両方から引いても順位は変わりません。

この記事の限界

東京ガスの基本プラン1つ(30A・東京電力エリア、取得日2026年9月5日)で計算しています。 他社の料金表では額が変わります。エリアが違えばさらに変わります(電気代の地域差は月4,055円)。

燃料費調整単価は月ごとに変わります。 ここで使ったのは取得日(2026年9月5日)時点の単価です。3か月ぶんの貿易統計価格の平均から算定されるため、毎月動きます。

再エネ賦課金は年度が変わる5月に改定されます。 4.18円/kWhが適用されるのは2027年4月分までです。日付の書かれていない賦課金の単価は使わないでください。

燃料費調整に上限があるかは会社によります。 東京ガスは「燃料費調整の上限の設定はありません」と公表しています。ほかの会社については確かめていません。契約前に重要事項説明で確認してください。


出典:東京ガス「基本プラン」料金表、および小売電気事業者が公表する再生可能エネルギー発電促進賦課金単価(いずれも公式の公表資料)。

よくある質問

電気代の内訳はどうなっていますか?

4行です。 基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金。月300kWh・30A(東京ガス 基本プラン)で計算すると、基本料金935円、電力量料金9,988円、燃料費調整額−2,790円、再エネ賦課金1,254円、合計9,387円でした。燃料費調整額はいまマイナスなので、合計から差し引かれます。

再エネ賦課金はいくらですか?

4.18円/kWhです。 2026年5月分から2027年4月分まで適用されます。全国一律で、電力会社を変えても額は変わりません。月300kWhなら月1,254円、年15,048円です。月500kWhなら年25,080円になります。

電気代を下げるには、どこを見ればいいですか?

電力量料金です。 月300kWh・30Aで9,988円あり、4行のうちいちばん大きい額です(合計は9,387円で、燃料費調整額がマイナスのぶん電力量料金より小さくなります)。基本料金は契約アンペアで決まり、30Aで935円ほど。30Aから20Aへ1段下げても、下がるのは月312円だけです。再エネ賦課金は動きません。燃料費調整額は会社によって計算式が違うため、単価を並べても比べられません(燃料費調整単価の比較は意味がない。16.05円ずれた理由)。

燃料費調整額がマイナスなのはなぜですか?

平均燃料価格が、契約で決めた基準燃料価格を下回っているためです。 下回った分だけ電気料金から差し引かれます。上回れば加算されます。東京ガス 基本プランの燃料費調整単価は−9.30円/kWhで、うち3.50円は政府の電気・ガス料金支援の分です(対象は2026年9月使用分まで)。支援が外れると−5.80円になり、月300kWhで1,050円上がります。