電気代の補助金はいつ終了?対象は9月使用分まで
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漫画でわかる全9コマ
この記事の計算を漫画にしました。コマは横に送って読めます。









漫画の中の数字の出典:資源エネルギー庁の値引き単価(低圧・一般家庭向け)(本文でも同じ数字を使っています)
この記事の根拠
- 独自集計 2023年1月からの支援単価20区間を集計すると、支援は毎年1〜3月と7〜9月にのみ実施され、4〜6月と10〜12月は切れる周期が2年続いている
- 独自集計 支援単価は最大7.0円/kWhから最小1.3円/kWhまで変動しており、月300kWh使用の家庭では支援の有無で月1,050円の差が出る
- 独自集計 支援がゼロになった区間は5回あり、5回とも数か月後に再開している。45か月のうち13か月は支援が無く、支援があった32か月の平均は月300kWhで1,228円
- 独自集計 東京ガス 基本プラン・契約30A・月300kWh・東京電力エリアの請求額は、支援ありで月9,387円、支援が切れた後は月10,437円。再エネ賦課金は全国一律4.18円/kWhで月1,254円
- 独自集計 消費者物価指数の都市ガス代は2023年1月の121.1が最高で、2026年7月は101.4。16.3%低い。同じ期間の電気代の下げ幅は6.6%
- 独自集計 二人以上の世帯(世帯人員2.87人)の2025年平均のガス代は月4,882円、電気代は月13,218円
電気代の請求書に「電気・ガス価格激変緩和対策」といった名目の値引きが載っているのを見たことがあるでしょうか。国が電気代を補助している分です。
この支援は2023年から切れたり再開したりを繰り返しています。そのたびに「終わる」と言われてきました。今回が今までと同じ中断なのかどうかを、公表されている値引き単価の全履歴から見ます。
いつ終わるのか
2026年9月2日に確認した時点で公表されている実施期間は、2026年9月使用分までです。 その時点で延長の発表はありませんでした。
ただし「9月使用分」は請求書の「9月分」ではありません。値引きが消えた請求書が手元に届くのは11月分からです。
値引きが消えた請求書が届くのはいつか
11月分からです。 10月に届く請求書には、まだ値引きが載っています。
政府が言う「9月使用分」は、電力会社の請求上は「10月分」にあたります。9月中の検針日から10月中の検針日までの使用が対象になるためです。つまり請求書の上では、10月分までは値引きあり、11月分から値引きなしになります。
政府の公表と電力会社の資料を突き合わせると、このずれは一貫しています。
| 政府の表記 | 単価 | 電力会社の表記 |
|---|---|---|
| 2026年7月使用分 | 3.5円 | 2026年8月分 |
| 2026年8月使用分 | 4.5円 | 2026年9月分 |
| 2026年9月使用分 | 3.5円 | 2026年10月分 |
11月に「急に上がった」と感じることになります。
終わると自分はいくら上がるのか
月300kWh使う家庭で月1,050円です。 2026年9月使用分の値引き単価が3.5円/kWhなので、使った量にそのまま掛かります。
| 月間使用量 | 負担増(月) | 3か月分 |
|---|---|---|
| 200kWh | 700円 | 2,100円 |
| 300kWh | 1,050円 | 3,150円 |
| 400kWh | 1,400円 | 4,200円 |
| 500kWh | 1,750円 | 5,250円 |
過去の周期どおり10〜12月の3か月間切れるなら、月300kWhの家庭で3,150円の増加です。
請求額そのものでも見ておきます。東京ガスの基本プラン(東京電力エリア・契約30A・月300kWh、2026年9月5日取得の料金表)で計算すると、支援が乗っているいまは月9,387円、支援が切れた後は月10,437円です。再生可能エネルギー発電促進賦課金を4.18円/kWhで含めた額です。増える1,050円は、請求額のおよそ1割にあたります。
請求額は基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金の4行でできていて、支援が乗るのは燃料費調整額の行です。4行それぞれの実額は「電気代の内訳は4行。うち1行は乗り換えても下がらない」で分解しています。
前提が変われば額も変わります。契約アンペア・使用量・エリア・料金プラン・時点のどれかが違えば、上の金額はそのまま当てはまりません。
ガスはどうなるのか
都市ガスにも同じ枠組みの支援がありますが、ここで集計しているのは電気の値引き単価(円/kWh)だけで、ガスの単価は持っていません。 そのためガスがいくら上がるかは出せません。
水準の動きだけは分かります。総務省の消費者物価指数(2026年9月7日取得)で都市ガス代を並べると、いちばん高かった2023年1月の121.1に対して、最新の2026年7月は101.4です。16.3%低い。電気代の下げ幅6.6%より大きく下がっています。指数であって金額ではありません。
金額の目安としては、家計調査(総務省統計局)の2025年平均で、二人以上の世帯(世帯人員2.87人)のガス代が月4,882円、電気代が月13,218円です。単身世帯は含まれていません。
電気とガスの指数の山と谷は「電気代がいちばん高かったのは2023年1月。指数は6.6%低い」に並べています。
過去に何回あって、いつ切れていつ戻ったのか
2023年1月以降、値引きがゼロになった区間は5回あり、5回とも数か月後に再開しています。 45か月のうち13か月は支援がありませんでした。
| 切れた期間 | 月数 | 再開した月 | 再開時の単価 |
|---|---|---|---|
| 2024年6月〜7月 | 2か月 | 2024年8月 | 4.0円/kWh |
| 2024年11月〜12月 | 2か月 | 2025年1月 | 2.5円/kWh |
| 2025年4月〜6月 | 3か月 | 2025年7月 | 2.0円/kWh |
| 2025年10月〜12月 | 3か月 | 2026年1月 | 4.5円/kWh |
| 2026年4月〜6月 | 3か月 | 2026年7月 | 3.5円/kWh |
単価を含めた全履歴です。低圧(一般家庭)向けの値引き単価です。
| 期間 | 値引き単価 |
|---|---|
| 2023年1月〜8月 | 7.0円/kWh |
| 2023年9月〜2024年4月 | 3.5円/kWh |
| 2024年5月 | 1.8円/kWh |
| 2024年6月〜7月 | なし |
| 2024年8月〜9月 | 4.0円/kWh |
| 2024年10月 | 2.5円/kWh |
| 2024年11月〜12月 | なし |
| 2025年1月〜2月 | 2.5円/kWh |
| 2025年3月 | 1.3円/kWh |
| 2025年4月〜6月 | なし |
| 2025年7月 | 2.0円/kWh |
| 2025年8月 | 2.4円/kWh |
| 2025年9月 | 2.0円/kWh |
| 2025年10月〜12月 | なし |
| 2026年1月〜2月 | 4.5円/kWh |
| 2026年3月 | 1.5円/kWh |
| 2026年4月〜6月 | なし |
| 2026年7月 | 3.5円/kWh |
| 2026年8月 | 4.5円/kWh |
| 2026年9月 | 3.5円/kWh |
支援があった32か月の平均は、月300kWhの家庭で1,228円でした。45か月ぶんを積算すると累計39,300円になります(「電気代の補助金の累計は45か月で39,300円」)。
直近2年を四半期に並べ替えると、切れる時期に規則性が出ます。
横にスクロールできます
| 1〜3月 | 4〜6月 | 7〜9月 | 10〜12月 | |
|---|---|---|---|---|
| 2025年 | あり | なし | あり | なし |
| 2026年 | あり | なし | あり | ? |
支援は冷暖房で電力使用量が増える夏と冬にだけ実施され、春と秋は切れています。 これが2年続いています。
再開の見込みはあるのか
決まっていません。 2026年9月2日に確認した時点で、2026年10月以降について実施も終了も公表されていませんでした。
過去の周期どおりなら「2026年9月使用分で終了」は恒久的な終了ではなく秋の中断ということになり、過去5回の中断はすべて数か月後に再開しています。ただしこれは予算措置で、毎回あらためて決まるものです。周期が続く保証はありません。そう決まっているわけではないので、公式の発表があるまでは推測として扱ってください。
再開したとしても、単価が同じとは限りません。過去の実績は1.3円/kWhから7.0円/kWhまで幅があります。3.5円で戻る前提で家計を組むのは避けたほうが安全です。
上がったあとに自分でできることは何か
支援の有無は動かせないので、できるのは「支援が乗っていない状態の自分の電気代」を把握して、その金額で判断することです。 いま届いている請求書の値引き額を足し戻した額が、その実力値になります。
高いと感じたときに見る順番は3つあります。
1. 動かない行を先に除く。 再生可能エネルギー発電促進賦課金は全国一律で4.18円/kWh(2026年5月分から2027年4月分まで)、月300kWhなら1,254円、年15,048円です。どの会社に乗り換えても変わらないので、下げ幅を見積もるときは最初に外します。4行の分解は「電気代の内訳は4行。うち1行は乗り換えても下がらない」にあります。
2. 比較は基本料金を含む月額総額で見る。 会社ごとに燃料費調整の算定式も基準燃料価格も違うため、単価だけを並べても比べたことになりません。同じ月・同じエリアでも符号が逆になることがあります。国の貿易統計から各社の式を再現して確かめたものが「燃料費調整単価の比較は意味がない。16.05円ずれた理由」です。 同じ新電力を北海道エリアと東京エリアの両方で総額までそろえた計算は「新電力1社の総額が、月264円高かった」にあります。同じ契約アンペア・同じ使用量で総額を出してエリアごとに並べた例は「idemitsuでんきと東京ガスの差は300kWhで月155円」にあります。東京エリアと北海道エリアで、使う量によって差が出ます。エリアが違えば料金表そのものが違います。同じ会社の同じプランを9エリアぶん並べると、月300kWhの総額は9,268円から13,323円まで開きました(「電気代の地域差は月4,055円。同じ会社の同じプランで比較」)。北海道電力の従量電灯Bと東京ガスの基本プランを同じ30A・月300kWhでそろえた計算は「北海道電力の料金は1kWh目から35.69円。東京と比較」で、基本料金と電力量料金だけなら差は2,244円、2026年10月分の燃料費調整単価まで足すと月約2,622円でした。
3. 試算は自分の使用量で行う。 割引の条件は世帯によって当てはまったり当てはまらなかったりします。支援が終わった後の東京ガス基本プランと、基本料金0円の市場連動型の電気を月300kWhで比べた試算が「電気の割引7つを全部つけても、17か月中14か月は割高の計算」にあります。基本料金0円のプランを東京ガスと30A契約で使用量ごとに並べた計算は「基本料金0円の電気、30A契約では使う量で逆転しなかった」にあります。基本料金0円をうたう2社どうしを同じ月でそろえて並べた計算は「基本料金0円の電気2社、固定部分が安いほうが13か月とも割高」にあり、固定部分が6.20円安いほうが13か月とも割高でした。その乗る側の市場価格そのものの動きは「市場連動型の電気が値上がり。東京は前年比+58%」にまとめていて、東京エリアの卸電力価格は2026年4月〜8月の平均が前年同期より58.2%高くなっています。使う時刻でも単価は動きます。2026年4月1日〜9月7日の東京エリアの平均は18時台が28.22円/kWh、7時台が15.91円/kWh(いずれも税抜)で、月30kWhを18時台から12時台へ移した場合の差は税込400円です(「市場連動型の電気は18時が最も高い。7時と12円差」)。
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この記事の限界
支援の再開は予測できません。 過去5回すべてで再開していますが、予算措置であり、周期が続く保証はありません。「10〜12月は切れて2027年1月に再開する」と読めるデータですが、そう決まっているわけではありません。
単価は据え置きとは限りません。 再開したとしても、過去の実績では1.3円から7.0円まで幅があります。
低圧(一般家庭)の数値です。 高圧契約の事業者向けは単価が異なり、集計した範囲ではおおむね低圧の半分程度で推移しています。
都市ガスの値引き単価は持っていません。 電気の単価しか集計していないため、ガスの増減額は出していません。
会社ごとの適用の有無は書いていません。 どの小売事業者の請求にどう反映されるかは、手元のデータでは確かめられません。自分の検針票の値引き行で確認してください。
情報は記載の取得日時点のものです。最新の実施状況は資源エネルギー庁の公式ページで確認してください。
出典:資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」の公表情報を集計して作成。消費者物価指数は「2025年基準消費者物価指数」(総務省統計局)、世帯あたりの支出は「家計調査」(総務省統計局)を加工して作成。