市場連動型の電気が値上がり。東京は前年比+58%
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この記事の根拠
- 独自集計 東京エリアの卸電力価格の月平均は、2026年4月〜8月が19.84円/kWhで、前年同期の12.54円から58.2%上がっている
- 独自集計 前年同月比の上がり幅は43.1%から75.2%まで月によって振れている
- 独自集計 月300kWhの家庭では、市場に連動する部分だけで税込2,408円の差になる
「基本料金0円」「燃料費調整額0円」をうたう電気のプランには、代わりに卸電力市場の価格が1kWhあたりの単価に乗る構造のものがあります。
その市場価格が、2026年4月から8月まで、前年の同じ月より高くなっています(2026年9月6日取得のデータ)。
2026年4〜8月は5か月とも前年を上回った
東京エリアの卸電力価格(税抜・円/kWh)です。1日48コマの単純平均を月ごとに出しました。「5か月平均」は、5つの月平均を平均したものです。データは2025年4月からなので、前年同月と比べられるのは2026年4月〜8月の5か月です。
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| 月 | 2025年 | 2026年 | 差 | 上昇率 |
|---|---|---|---|---|
| 4月 | 11.45円 | 20.06円 | +8.61円 | +75.2% |
| 5月 | 11.19円 | 18.01円 | +6.82円 | +60.9% |
| 6月 | 12.96円 | 20.01円 | +7.05円 | +54.4% |
| 7月 | 13.88円 | 19.86円 | +5.98円 | +43.1% |
| 8月 | 13.21円 | 21.24円 | +8.03円 | +60.8% |
| 5か月平均 | 12.54円 | 19.84円 | +7.30円 | +58.2% |
5か月とも前年を上回りました。幅は**43.1%から75.2%**まで振れています。
月300kWhなら税込2,408円の差
市場価格が1kWhあたりの単価にそのまま乗るとして、その部分だけを取り出すと、こうなります。表の差7.30円は丸めた値なので、丸める前の7.298円で計算しています。
差 7.298円/kWh(税抜) × 300kWh = 2,189円
2,189円 × 1.1(消費税10%) = 2,408円
これは電気代全体の話ではありません。市場価格に連動する部分だけの、前年との差です。固定単価のプランを使っている場合、ここは動きません。
17か月の推移
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| 年月 | 単価 | 年月 | 単価 | |
|---|---|---|---|---|
| 2025年4月 | 11.45円 | 2026年1月 | 12.07円 | |
| 2025年5月 | 11.19円 | 2026年2月 | 11.17円 | |
| 2025年6月 | 12.96円 | 2026年3月 | 14.38円 | |
| 2025年7月 | 13.88円 | 2026年4月 | 20.06円 | |
| 2025年8月 | 13.21円 | 2026年5月 | 18.01円 | |
| 2025年9月 | 12.92円 | 2026年6月 | 20.01円 | |
| 2025年10月 | 13.06円 | 2026年7月 | 19.86円 | |
| 2025年11月 | 11.84円 | 2026年8月 | 21.24円 | |
| 2025年12月 | 11.17円 |
2025年度は12か月とも11.17円から14.38円の範囲に収まっていました。2026年度に入ってからの5か月は18.01円から21.24円で、範囲が重なっていません。
上限の有無を確認する
市場連動のプランで確認するところは2つです。
1つ目は、市場価格が単価にどう反映されるか。 料金表に「市場価格」「エリアプライス」「電源調達費」といった語があれば、その部分が毎月動きます。
2つ目は、上限があるかどうか。 大手電力の規制料金(従量電灯Bなど)には燃料費調整に上限がありますが、上限が無いプランもあります。たとえば東京ガスの基本プランは、公式ページで燃料費調整の上限を設けていないと書いています。上限が無い場合、市場価格が跳ねた月はそのまま請求に乗ります。
基本料金0円で浮くのは基本料金の分です。たとえば東京ガス基本プランの30Aは月935.22円(2026年9月5日取得)で、上の前年との差(月300kWhで2,408円)より小さい額です。
固定単価のプランと比べるときの注意
市場連動のプランと固定単価のプランを並べるとき、1kWhあたりの単価だけを見ても比べられません。
市場連動のプランは、料金表に載っている単価が「固定の部分」だけで、そこに市場価格が足されます。固定単価のプランは、載っている単価がそのまま請求に使われます。載っている数字の意味が違います。
比べられるのは、次の2つのどちらかです。
- 1か月ぶんの総額(基本料金+従量料金+燃料費調整または市場連動分)
- 実質の従量単価(上の総額から基本料金を引いて、使用量で割ったもの)
電力会社をまたいで燃料費調整の単価を並べても比較にならない理由は、燃料費調整単価の比較は意味がない。16.05円ずれた理由で書いています。
この記事の限界
単純平均です。 実際の請求は30分ごとの使用量で重み付けされます。単価は時間帯で変わるので、どの時間帯にどれだけ使うかで実際の額は動きます。手元に世帯ごとの時間帯別使用量が無いため、重み付けはしていません。
東京エリアだけです。 JEPXはエリアごとに価格を公表しており、他のエリアの数字は含めていません。
税抜です。 JEPXの公表値は税抜です。小売のプランの単価と足すときは、消費税の扱いを揃えてください。
上がった理由は扱っていません。 手元にあるのは価格そのものだけで、燃料費や気温や発電所の稼働といった要因の内訳は含まれていません。
将来の予測ではありません。 2025年4月〜2026年8月の17か月の実績です。今後も高いままかどうかは分かりません。
データは2026年9月6日に取得したものです(9月分は月の途中のため含めていません)。契約中のプランの料金表と、契約前の重要事項説明で確認してください。
出典:一般社団法人日本卸電力取引所(JEPX)スポット市場の約定結果(https://www.jepx.jp/)。2025年度・2026年度の公表データから、30分コマの単純平均を月ごとに集計しました。