生活費の分岐点

市場連動型の電気が値上がり。東京は前年比+58%

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電気・ガス 公開 2026-10-01 データ取得 2026-09-06

卸電力市場の単価が前年比 58.2%高い 東京エリア・2026年4〜8月。5か月とも前年を上回った

この記事の根拠

  • 独自集計 東京エリアの卸電力価格の月平均は、2026年4月〜8月が19.84円/kWhで、前年同期の12.54円から58.2%上がっている 一般社団法人日本卸電力取引所(JEPX)スポット市場の約定結果。30分コマ(1日48コマ)の単純平均を月ごとに出し、5か月の月平均を平均 / 2026-09-06取得
  • 独自集計 前年同月比の上がり幅は43.1%から75.2%まで月によって振れている 同上。2026年4月〜8月の各月と前年同月を突き合わせて算出 / 2026-09-06取得
  • 独自集計 月300kWhの家庭では、市場に連動する部分だけで税込2,408円の差になる 前年同期との差(丸める前の7.298円/kWh、税抜)に300kWhと消費税10%を掛けた計算 / 2026-09-06取得

データの取得方法と計算の方針

「基本料金0円」「燃料費調整額0円」をうたう電気のプランには、代わりに卸電力市場の価格が1kWhあたりの単価に乗る構造のものがあります。

その市場価格が、2026年4月から8月まで、前年の同じ月より高くなっています(2026年9月6日取得のデータ)。

2026年4〜8月は5か月とも前年を上回った

4月 4月: 8.61円 8.61円 5月 5月: 6.82円 6.82円 6月 6月: 7.05円 7.05円 7月 7月: 5.98円 5.98円 8月 8月: 8.03円 8.03円
卸電力市場(JEPXスポット市場)東京エリアの月平均が、前年同月から何円上がったか(税抜・円/kWh)。5か月とも前年を上回り、月平均5つの平均で7.30円(58.2%)高い。月300kWhなら、市場価格がそのまま乗る部分だけで税込2,408円の差になる。各月は30分コマ(1日48コマ)の単純平均。JEPX公表の約定結果から集計。

東京エリアの卸電力価格(税抜・円/kWh)です。1日48コマの単純平均を月ごとに出しました。「5か月平均」は、5つの月平均を平均したものです。データは2025年4月からなので、前年同月と比べられるのは2026年4月〜8月の5か月です。

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月 2025年 2026年 差 上昇率
4月 11.45円 20.06円 +8.61円 +75.2%
5月 11.19円 18.01円 +6.82円 +60.9%
6月 12.96円 20.01円 +7.05円 +54.4%
7月 13.88円 19.86円 +5.98円 +43.1%
8月 13.21円 21.24円 +8.03円 +60.8%
5か月平均 12.54円 19.84円 +7.30円 +58.2%

5か月とも前年を上回りました。幅は**43.1%から75.2%**まで振れています。

月300kWhなら税込2,408円の差

市場価格が1kWhあたりの単価にそのまま乗るとして、その部分だけを取り出すと、こうなります。表の差7.30円は丸めた値なので、丸める前の7.298円で計算しています。

差 7.298円/kWh(税抜) × 300kWh = 2,189円
2,189円 × 1.1(消費税10%) = 2,408円

これは電気代全体の話ではありません。市場価格に連動する部分だけの、前年との差です。固定単価のプランを使っている場合、ここは動きません。

17か月の推移

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年月 単価 年月 単価
2025年4月 11.45円 2026年1月 12.07円
2025年5月 11.19円 2026年2月 11.17円
2025年6月 12.96円 2026年3月 14.38円
2025年7月 13.88円 2026年4月 20.06円
2025年8月 13.21円 2026年5月 18.01円
2025年9月 12.92円 2026年6月 20.01円
2025年10月 13.06円 2026年7月 19.86円
2025年11月 11.84円 2026年8月 21.24円
2025年12月 11.17円

2025年度は12か月とも11.17円から14.38円の範囲に収まっていました。2026年度に入ってからの5か月は18.01円から21.24円で、範囲が重なっていません。

上限の有無を確認する

市場連動のプランで確認するところは2つです。

1つ目は、市場価格が単価にどう反映されるか。 料金表に「市場価格」「エリアプライス」「電源調達費」といった語があれば、その部分が毎月動きます。

2つ目は、上限があるかどうか。 大手電力の規制料金(従量電灯Bなど)には燃料費調整に上限がありますが、上限が無いプランもあります。たとえば東京ガスの基本プランは、公式ページで燃料費調整の上限を設けていないと書いています。上限が無い場合、市場価格が跳ねた月はそのまま請求に乗ります。

基本料金0円で浮くのは基本料金の分です。たとえば東京ガス基本プランの30Aは月935.22円(2026年9月5日取得)で、上の前年との差(月300kWhで2,408円)より小さい額です。

固定単価のプランと比べるときの注意

市場連動のプランと固定単価のプランを並べるとき、1kWhあたりの単価だけを見ても比べられません。

市場連動のプランは、料金表に載っている単価が「固定の部分」だけで、そこに市場価格が足されます。固定単価のプランは、載っている単価がそのまま請求に使われます。載っている数字の意味が違います。

比べられるのは、次の2つのどちらかです。

  • 1か月ぶんの総額(基本料金+従量料金+燃料費調整または市場連動分)
  • 実質の従量単価(上の総額から基本料金を引いて、使用量で割ったもの)

電力会社をまたいで燃料費調整の単価を並べても比較にならない理由は、燃料費調整単価の比較は意味がない。16.05円ずれた理由で書いています。

この記事の限界

単純平均です。 実際の請求は30分ごとの使用量で重み付けされます。単価は時間帯で変わるので、どの時間帯にどれだけ使うかで実際の額は動きます。手元に世帯ごとの時間帯別使用量が無いため、重み付けはしていません。

東京エリアだけです。 JEPXはエリアごとに価格を公表しており、他のエリアの数字は含めていません。

税抜です。 JEPXの公表値は税抜です。小売のプランの単価と足すときは、消費税の扱いを揃えてください。

上がった理由は扱っていません。 手元にあるのは価格そのものだけで、燃料費や気温や発電所の稼働といった要因の内訳は含まれていません。

将来の予測ではありません。 2025年4月〜2026年8月の17か月の実績です。今後も高いままかどうかは分かりません。

データは2026年9月6日に取得したものです(9月分は月の途中のため含めていません)。契約中のプランの料金表と、契約前の重要事項説明で確認してください。


出典:一般社団法人日本卸電力取引所(JEPX)スポット市場の約定結果(https://www.jepx.jp/)。2025年度・2026年度の公表データから、30分コマの単純平均を月ごとに集計しました。

よくある質問

市場連動型の電気は2026年度に入ってどのくらい高いのですか?

東京エリアの卸電力価格は、2026年4月から8月の平均で前年同期より58.2%高くなりました。 この5か月の月平均の平均は19.84円/kWh(税抜)で、前年同期の12.54円から7.30円上がりました。月300kWhの家庭であれば、市場価格がそのまま乗る部分だけで税込2,408円の差になります。ただし実際の請求は30分ごとの使用量で重み付けされるため、この単純平均どおりにはなりません。

「基本料金0円」の電気は市場連動型ですか?

そういうプランがあります。何割がそうかは数えていません。 基本料金や燃料費調整額を0円にする代わりに、1kWhあたりの単価に卸電力市場の価格を反映させる構造のプランがあります。契約前に、料金表に「市場価格」「エリアプライス」「電源調達費」などの語があるかを確認してください。上限(キャップ)の有無も併せて見る必要があります。

なぜ2026年度に入って上がったのですか?

上がった理由までは調べていません。 卸電力価格は燃料費、気温、発電所の稼働状況、再生可能エネルギーの出力など複数の要因で動きます。手元のデータは価格そのものだけで、要因の内訳は含まれていません。上がった事実と幅だけを示しています。

市場連動型から固定単価に変えるべきですか?

この記事の数字だけでは決められません。 市場価格は30分ごとに変わり、実際の請求はいつ使ったかで重み付けされるため、この記事の単純平均どおりにはなりません。判断するには、契約中のプランの料金表で市場連動部分の計算式と上限の有無を確認し、自分の使用量を掛けて比べてください。