免許返納の6割は75歳以上。その割合は東京だと36.4%
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この記事の根拠
- 独自集計 令和7年中の申請取消(自主返納)は435,067件で、75歳以上が60%、85歳以上が15.8%を占める
- 独自集計 返納に占める75歳以上の割合は富山80.8%、東京36.4%。85歳以上は長野31.7%、東京5.6%
- 独自集計 運転経歴証明書の交付は令和7年中に297,359件で、同じ年の申請取消の68.3%にあたる
- 独自集計 75歳以上の運転免許保有者は令和7年末に8,350,427人で、前年から5.7%増えた
- 独自集計 車を持たなければかからない税と自賠責は、軽自動車で年22,870円、1〜1.5L・車両重量1.0t超1.5t以下の普通車で年51,625円
警察庁の「運転免許統計」には、都道府県別の自主返納(申請取消)件数が、年齢別の内訳つきで載っています。
並べると、返す人の年齢が県で大きく違いました。

全国では435,067件
令和7年中の申請取消件数です。年齢で区切ると、こうなります。
| 年齢 | 返納に占める割合 |
|---|---|
| 65歳以上 | 95% |
| 70歳以上 | 86.2% |
| 75歳以上 | 60% |
| 80歳以上 | 38.8% |
| 85歳以上 | 15.8% |
返す人の6割は75歳以上です。 85歳以上も6人に1人ほどいます。
一方で、75歳以上の免許保有者は令和7年末に8,350,427人で、前の年から5.7%増えました。 返す人がいても、その年齢に達する人のほうが多い状態です。
75歳以上の割合は県で2.2倍ちがう
返納のうち75歳以上が占める割合を、都道府県で並べました。
| 多い県 | 割合 | 少ない県 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 富山 | 80.8% | 東京 | 36.4% |
| 群馬 | 79.4% | 大阪 | 44% |
| 福井 | 78.4% | 神奈川 | 52.8% |
| 長野 | 78.3% | 兵庫 | 53.6% |
| 山形 | 78% | 埼玉 | 53.7% |
富山では返納の8割が75歳以上ですが、東京では6割以上が75歳未満で返しています。
85歳以上に絞ると、開きはもっと大きくなります。
| 多い県 | 割合 | 少ない県 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 長野 | 31.7% | 東京 | 5.6% |
| 山形 | 30% | 大阪 | 7.3% |
| 山梨 | 28.8% | 神奈川 | 8.6% |
長野と東京で5.7倍です。 長野では返納した3人に1人近くが85歳以上、東京では18人に1人ほどです。
大都市ほど返した人に占める高齢の人の割合が低く、世帯あたりの車の台数が多い県ほど高い、という並びになっています。ただし、これは返した人の年齢構成が違うだけで、「若いうちに返している」とまでは言えません。免許を持っている人の年齢構成も県で違えば、同じように差が出るからです。理由はこの統計には書かれていません。
なお、ここで持ち出した世帯あたりの車の台数そのものも、県で大きく違います。福井の1.654台から東京の0.401台まで、4.12倍の開きがあります(車の保有台数は1世帯1.001台、都道府県で4.12倍ひらく)。
東京は件数が最多、世帯あたりでは最少
東京の返納は42,066件で、全国でいちばん多い県です。ただ、世帯数で割ると順位が変わります。
| 1,000世帯あたり | |
|---|---|
| 山形 | 11.78件 |
| 静岡 | 9.64件 |
| 香川 | 9.34件 |
| 富山 | 9.25件 |
| … | |
| 北海道 | 5.44件 |
| 沖縄 | 5.42件 |
| 東京 | 5.41件 |
山形と東京・沖縄で2.2倍です。 世帯数は自動車検査登録情報協会の統計から借りたので、基準日が返納件数とずれています。目安として見てください。
運転経歴証明書は297,359件
返納すると、希望すれば運転経歴証明書を受け取れます。運転免許証の代わりの身分証明書として使えるものです。
令和7年中の交付は297,359件で、同じ年の返納435,067件の**68.3%**にあたります。
ただし、これは「受け取った人の割合」ではありません。証明書は返納から5年以内なら申請できるので、前の年までに返した人の分も入っています。沖縄は返納3,918件に対して証明書4,035件で、**103%**と100%を超えていました。
車も手放すと、止まる費用
免許を返しても、車を持っていれば税と保険はかかります。車も手放した場合に、かからなくなる額のうち、法令で決まっている部分だけを出しました(自家用の乗用車・自動車税2年と2年車検の重量税と自賠責24か月を1年あたりに直したもの)。
表の額は、令和元年10月以後に登録した車の額です。
| 車 | 1年あたり |
|---|---|
| 軽自動車 | 22,870円 |
| 普通車 1L以下・車両重量1.0t以下 | 42,025円 |
| 普通車 1〜1.5L・1.0t超1.5t以下 | 51,625円 |
| 普通車 1.5〜2L・1.0t超1.5t以下 | 57,125円 |
返納する世代の車は、それより前に登録したものが多いはずです。令和元年9月以前に登録し、まだ13年を超えていない車(いまなら登録から約7〜13年)は自動車税の額が高く、1〜1.5L・1.0t超1.5t以下の普通車なら次の額になります。
| 車 | 1年あたり |
|---|---|
| 普通車 1〜1.5L・1.0t超1.5t以下(令和元年9月以前の登録・13年未満) | 55,625円 |
2年ぶんで、自動車税34,500円×2+重量税24,600円+自賠責17,650円=111,250円です。
長く乗っている車は、13年を超えると税が上がっています。13年超の軽自動車なら年25,770円、1〜1.5L・1.0t超1.5t以下の普通車なら年65,525円です(13年を超えた車の税は、2年で21,400円上がる)。
内訳と、軽と普通車の差は別に計算しました(軽と普通車の差、法定費用はほぼ税。自賠責は110円差)。
燃料・任意保険・駐車場・整備代は、この表に入っていません。 そちらのほうが額は大きいことが多く、人によって大きく違います。
この記事の限界
数えているのは申請取消件数です。 更新をしないまま期限が切れた場合などは入っていません。
北海道は5方面(道本部・函館・旭川・釧路・北見)を合算しました。 東京は警視庁の行です。47都道府県の合計が表の合計と一致することを確かめています。
世帯あたりの件数は、別の統計の世帯数で割っています。 基準日が違うので目安です。
費用は標準税率と、離島以外・沖縄県を除く地域の自賠責です。 実際の自動車税は都道府県の条例で決まります。
情報は記載の取得日時点のものです。
出典:警察庁交通局運転免許課「運転免許統計(令和7年版)」、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第154条・第448条・附則第12条の4・第30条、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第90条の11・第90条の11の3(いずれもe-Gov法令検索)、国土交通省 自賠責保険料表、一般財団法人自動車検査登録情報協会の世帯数。