生活費の分岐点

環境性能割は2026年4月1日に廃止。本則から206回消えた

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車・バイクの維持費 公開 2026-09-10 / 更新 2026-09-21 データ取得 2026-09-21

地方税法の本則にあった「環境性能割」は 206回 2026年4月1日施行の版では0回。本則の「種別割」も128回すべて消えた

漫画でわかる全10コマ

この記事の計算を漫画にしました。コマは横に送って読めます。

説明漫画。車を買うときの環境性能割はもう無い。「環境性能割」206回 → 0回
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漫画の中の数字の出典:地方税法(e-Gov法令API)令和8年法律第2号(本文でも同じ数字を使っています)

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この記事の根拠

  • 独自集計 地方税法の本則にある「環境性能割」は、2026年1月1日施行の版で206回、2026年4月1日施行の版で0回である e-Gov法令API v2 で law_revision_id 325AC0000000226_20260101_507AC0000000041 と 325AC0000000226_20260401_508AC0000000002 を取得し、附則を除いた本則の語数を数えた / 2026-09-21取得
  • 独自集計 「種別割」は128回から0回になり、「自動車税」(「軽自動車税」に含まれる分を除く)は24回から90回に増えた 同じ2つの版の本則を数えたもの。scripts/watch/kankyo-seinou.mjs / 2026-09-21取得
  • 独自集計 改正したのは令和8年法律第2号(地方税法等の一部を改正する法律)で、公布は2026年3月31日、施行は2026年4月1日である e-Gov法令APIが返す revision_info の amendment_law_num・amendment_promulgate_date・amendment_enforcement_date / 2026-09-21取得
  • 独自集計 代わりの財源は決まっておらず、附則に検討する旨が書かれているだけである 令和八年三月三一日法律第二号の附則第二十二条「(自動車税の環境性能割及び軽自動車税の環境性能割の廃止に伴う財源の確保)」の条文 / 2026-09-21取得
  • 独自集計 適用外になるのは2026年4月1日以後に取得した自動車で、施行日前に取得した自動車の環境性能割は「なお従前の例による」 地方税法 2026-04-01 施行の版に入っている令和八年三月三一日法律第二号の附則第十条第二項・第十五条第二項。施行日は同附則第一条 / 2026-09-21取得
  • 独自集計 新車の課税標準は「通常の取引の条件に従つて自動車等の販売業者から取得するとした場合における当該自動車の販売価額に相当する金額」で、販売価額200万円なら1%で20,000円・2%で40,000円・3%で60,000円になる 地方税法施行規則(昭和二十九年総理府令第二十三号)第九条の三第一号・第十五条の十第一号。課税標準は1,000円未満切捨て、税額は100円未満切捨て(地方税法第二十条の四の二)。e-Gov法令APIで law_revision_id 329M50000002023_20260101_507M60000008116 を取得。計算は scripts/watch/kankyo-seinou.mjs の taxOn() / 2026-09-21取得
  • 独自集計 通常の取得価額が50万円以下の自動車・三輪以上の軽自動車には環境性能割を課すことができなかった(免税点) 地方税法 第百五十八条・第四百五十二条(2026-01-01 施行の版) / 2026-09-21取得
  • 独自集計 車の種類による非課税は第149条が6種類、第446条が3種類で、電気自動車だけではない 地方税法 第百四十九条第一項・第四百四十六条第一項の号(2026-01-01 施行の版)を数えたもの / 2026-09-21取得

データの取得方法と計算の方針

車を買うときにかかる税が、1つ無くなっていました。

本則から206回ぶん消えた

「無くなった」ことを確かめるには、条文そのものを見るしかありません。地方税法を施行日ごとに取り、本則に「環境性能割」が何回出てくるか数えました。

語 2026年1月1日施行 2026年4月1日施行
環境性能割 206回 0回
種別割 128回 0回
自動車税 24回 90回
軽自動車税 25回 69回

「自動車税」は、「軽自動車税」の中に含まれる分を除いて数えています。

軽がどれだけ使われているかは、県によってかなり違います。世帯あたりの台数で並べると、乗用車の順位と軽の順位は一致しませんでした(軽自動車が多い県と車が多い県は別。栃木は乗用車5位)。

環境性能割(1月) 環境性能割(1月): 206回 206回 環境性能割(4月) 環境性能割(4月): 0回 0回 種別割(1月) 種別割(1月): 128回 128回 種別割(4月) 種別割(4月): 0回 0回 自動車税(1月) 自動車税(1月): 24回 24回 自動車税(4月) 自動車税(4月): 90回 90回 軽自動車税(1月) 軽自動車税(1月): 25回 25回 軽自動車税(4月) 軽自動車税(4月): 69回 69回
地方税法の本則に、その語が何回出てくるか。2026年1月1日施行の版では「環境性能割」が206回、「種別割」が128回あった。2026年4月1日施行の版ではどちらも0回になっている。数えているのは本則だけで、附則の経過措置は含めない。e-Gov法令APIで施行日ごとの条文を取って算出。

数えたのは本則だけです。 附則には経過措置として語が残っていて、廃止後の版でも附則を含めた全文には「環境性能割」が62回、「種別割」が50回あります。そこを混ぜると「まだある」ように見えてしまいます。

条番号が空いたわけではない

条文を引くときに間違えやすい点です。規定は消えましたが、条番号は使われ続けています。

条 廃止前(2026年1月1日施行) 廃止後(2026年4月1日施行)
第149条 環境性能割の非課税 徴税吏員の自動車税に関する調査に係る質問検査権
第156条 環境性能割の課税標準 自動車税の納期
第157条 環境性能割の税率 自動車税の納税義務の発生、消滅等に伴う賦課
第158条 環境性能割の免税点 自動車税の徴収の方法
第450条 環境性能割の課税標準 軽自動車税の納期
第451条 環境性能割の税率 軽自動車税の徴収の方法

いまの第157条を引くと規定は出てきますが、中身は別物です。 この記事でこれから出す本則の条番号は、すべて廃止前(2026年1月1日施行)の版のものです(「附則第◯条」は改正法である令和8年法律第2号の附則を指します)。

逆に、附則を読まないと額が出ない制度もあります。同じ地方税法でも、ふるさと納税でワンストップ特例を使ったときに住民税から引かれる申告特例控除額は、附則のほうに定めがあります(ふるさと納税の上限超え、自己負担は9,979円(確定申告の場合))。なお、この特例を使った場合は口座への入金は起きません(ふるさと納税のワンストップは還付されない)。本則だけで足りるか附則まで要るかは、制度ごとに違います。 その住民税がどこへ移っているかは、総務省が全自治体ぶんを公表しています(ふるさと納税1兆3,314億円の半分は136自治体へ)。

本則から「種別割」の語も消えた

減った語がもう1つあります。**「種別割」**です(こちらも本則の数で、附則には50回残っています)。

2019年10月、自動車取得税が廃止されたときに、自動車税は2つに分けられました。買うときにかかる環境性能割と、持っているとかかる種別割です。このとき「自動車税種別割」という長い名前ができました。

片方が無くなったので、分ける必要もなくなりました。本則では**「自動車税」が24回から90回に、「軽自動車税」が25回から69回に増えています。** 条文での呼び名が「自動車税」「軽自動車税」に戻ったと読めます。

ただし、1回ずつ置き換わったとまでは言えません。消えた「種別割」は128回、増えた2つの語は合わせて110回で、数が一致しないためです。環境性能割の条文ごと削られた部分もあります。

税そのものが消えたわけではありません。 毎年払う分は残っています。

廃止したのは令和8年法律第2号

改正法 地方税法等の一部を改正する法律
法律番号 令和8年法律第2号
公布 2026年3月31日
施行 2026年4月1日

いつ取得した車から、かからなくなるのか

改正法の附則は、**年度ではなく「取得の時点」**で切っています。

施行日前の自動車の取得に対して課する自動車税の環境性能割については、なお従前の例による。

(令和8年法律第2号 附則第10条第2項。三輪以上の軽自動車は附則第15条第2項に同じ文)

施行日は2026年4月1日です。附則第1条は「この法律は、令和八年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。」と書いていて、そのただし書には17の号がありますが、環境性能割の廃止を後ろにずらす号はありません。

車を取得した日 環境性能割
2026年4月1日以後 かからない
2026年3月31日以前 廃止前の条文どおり。申告・納付の義務も、納めすぎた分を返してもらう手続きも、廃止前のまま残る

毎年の自動車税のほうは、年度で切られています。 同じ附則第10条の第1項は「新法の規定中自動車税に関する部分(新法第百六十九条の二の規定を除く。)は、令和八年度以後の年度分の自動車税について適用する」と書いています。買うときの税だけが「取得」で切られているのは、そもそも年度ではなく買った1回にかかる税だからです。

「取得した日」は契約日か、納車日か、登録日か

条文には書かれていません。 第146条は「当該自動車の取得者に環境性能割によつて…課する」とだけ書き、取得の日がいつかを定めていません。

分かるのは、いつまでに申告して納めるかです。第160条は車を4つに分けてこう定めています。

車の区分 申告・納付の期限
新規登録を受ける自動車 その新規登録の時
移転登録を受けるべき自動車 事由があった日から15日を経過する日(それより前に登録したときはその時)
自動車検査証の変更記録を受けるべき自動車 事由があった日から15日を経過する日(同上)
それ以外 その自動車の取得の日から15日を経過する日

ただしこれはいつまでに申告するかの規定で、切れ目そのものではありません。附則が切っているのは「施行日前の自動車の取得」であって、登録でも申告でもありません。その「取得の日」がいつかは条文に書かれていないので、自分の車がどうなるかは、都道府県(軽自動車は市町村)に確かめてください。

いくらだったのか

税率は、燃費基準の達成度で分かれていました。

区分 税率
非課税の区分に当たる車 非課税
基準の達成度が高い 1%
中位 2%
それ以外 3%

根拠は第157条(自動車)と第451条(三輪以上の軽自動車)です。

これは本則の区分です。附則の特例で、自家用の軽自動車は3%が2%に読み替えられていました(附則第29条の18第2項)。営業用の車は0.5%・1%・2%でした(附則第12条の2の12・第29条の18第1項)。

掛ける相手は、法律ではなく総務省令にありました。 第156条・第450条は、こうとしか書いていません。

環境性能割の課税標準は、自動車の取得のために通常要する価額として総務省令で定めるところにより算定した金額(第百五十八条において「通常の取得価額」という。)とする。

括弧書きが後で効きます。この金額が、免税点(第158条)の「通常の取得価額」と同じものだと、ここで決めているからです。

その総務省令は地方税法施行規則(昭和29年総理府令第23号)で、第九条の三(自動車)と第十五条の十(三輪以上の軽自動車)に算定方法があります。新車についてはこうです。

当該自動車を通常の取引の条件に従つて自動車等の販売業者から取得するとした場合における当該自動車の販売価額に相当する金額

中古車は、新車時のこの金額に「初回新規登録を受けた日の属する年の一月一日から起算した期間に応じて総務大臣が定める割合」を掛けた額です。

掛ける割合が初回登録からの年数で決まるので、何年落ちかが効きます。いま走っている乗用車の平均車齢は9.44年でした(「中古車は何年落ちが普通?平均車齢は9.44年」)。

さらに2つの決まりがあります。

  • 通常の取得価額が50万円以下なら課税できない(免税点。第158条・第452条)
  • 課税標準は1,000円未満切捨て、税額は100円未満切捨て(第20条の4の2)

これを新車に当てはめると、こうなります。自家用は1%・2%・3%の列、営業用は0.5%・1%・2%の列を見てください。

横にスクロールできます

販売価額 0.5% 1% 2% 3%
50万円 0円 0円 0円 0円
100万円 5,000円 10,000円 20,000円 30,000円
150万円 7,500円 15,000円 30,000円 45,000円
200万円 10,000円 20,000円 40,000円 60,000円
250万円 12,500円 25,000円 50,000円 75,000円
300万円 15,000円 30,000円 60,000円 90,000円
400万円 20,000円 40,000円 80,000円 120,000円
500万円 25,000円 50,000円 100,000円 150,000円

50万円の行が0円なのは免税点です。免税点は切り捨てる前の額で見ます(第156条の括弧書きが、課税標準を「通常の取得価額」と結びつけているため)。50万円ちょうどまでが0円で、500,001円からかかりました。ただし課税標準は1,000円未満切捨てなので、500,001円〜500,999円の車でも掛ける相手は500,000円です。

200万円の行は 200万円×3%=60,000円 という計算で、税額の100円未満切捨てが効かない額になっています。

自家用の軽自動車は3%の列を使いません。 附則の読み替えで上限が2%だったので、200万円の軽自動車なら40,000円が上限です。

中古車の額は出せません。 新車時の額に掛ける「総務大臣が定める割合」は告示で、e-Gov法令APIは法律・政令・省令しか返さないためです。

販売価額がいくらになるかも、条文からは決まりません。 施行規則が書いているのは「通常の取引の条件で販売業者から取得する場合の販売価額に相当する金額」で、値引き後に実際に払った額とも、メーカー希望小売価格とも書かれていません。上の表は、その額をそのまま課税標準とした場合の計算です。

非課税だったもの

2つの意味で非課税がありました。

1つは車の種類です。 第149条(自動車)は6種類、第446条(三輪以上の軽自動車)は3種類を挙げていました。付いている条件は号ごとに違います。

第149条(自動車) 条件
1号 電気自動車 条件なし(その種類に当たればよい)
2号 天然ガス自動車 排出ガスの基準を満たすもの
3号 充電機能付電力併用自動車 条件なし(その種類に当たればよい)
4号 ガソリン自動車 排出ガスの基準と燃費の基準の両方を満たすもの
5号 石油ガス自動車 排出ガスの基準と燃費の基準の両方を満たすもの
6号 軽油自動車 排出ガスの基準と燃費の基準の両方を満たすもの
第446条(三輪以上の軽自動車) 条件
1号 電気軽自動車 条件なし(その種類に当たればよい)
2号 天然ガス軽自動車 排出ガスの基準を満たすもの
3号 ガソリン軽自動車 排出ガスの基準と燃費の基準の両方を満たすもの

電気自動車だけではありません。 燃費の基準まで問われるのは、ガソリン・石油ガス・軽油の3種類です(軽自動車はガソリンだけ)。電気自動車と充電機能付電力併用自動車は、その種類に当たれば非課税でした。

もう1つは値段です。 通常の取得価額が50万円以下の車には課税できませんでした(第158条・第452条)。

道府県は、通常の取得価額が五十万円以下である自動車に対しては、環境性能割を課することができない。

つまりこれらの車にとって、今回の廃止による変化はありません。 変わったのは、燃費基準の達成度に応じて税率がかかっていた車です。

代わりの財源は、条文には書かれていない

改正法の附則には、こういう見出しの規定があります。

(自動車税の環境性能割及び軽自動車税の環境性能割の廃止に伴う財源の確保)

中身はこれだけです。

国は、自動車税の環境性能割及び軽自動車税の環境性能割の廃止による地方税の減収に係る安定財源を確保するための具体的な方策について検討し、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

「検討する」としか書かれていません。 代わりの税の名前も、額も、時期も条文にはありません。

第2項があります。

国は、前項の措置が講ぜられるまでの間、同項の地方税の減収により地方団体の財政運営に支障を生ずることのないよう、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

これも「必要な財政上の措置」とあるだけで、中身は書かれていません。

見ているのは条文だけです。 この記事は2026年9月21日に e-Gov法令API で取り直した地方税法と地方税法施行規則しか見ていません。国会の審議、税制改正大綱、報道は見ていないので、条文の外で代わりの財源が決まっているかどうかは、この記事からは分かりません。

残っている税

無くなったのは買うときの1つだけです。ほかは変わっていません。

税 根拠 どうなったか
自動車税・軽自動車税 地方税法 残る(「種別割」の語が消えた)
自動車重量税 自動車重量税法 今回の改正では変わらない
自賠責保険料 自動車損害賠償保障法 税ではない。変わらない
ガソリン税 揮発油税法ほか 今回の改正では変わらない。ただし暫定税率のほうは、これとは別の改正で先に廃止されている

車の「法律で決まっている費用」だけ足すといくらかは、毎年かかる分の話です。今回消えたのは、そこには入っていない「買うときの1回」でした。

買わずにリースする場合は、そもそも税や車検が月額に入っているかどうかが会社で違います。カーリースの車検代は11年で440,880円という計算になりました。リースは契約が終わるまで名義が自分に移らないプランもあり、いつ手を離せるかはプランごとに違います(いまのりの違いは、解約金なしで返せるのが満了の2年前と3年前)。 満了時に残価の精算がある契約もあり、そこでは満了時に請求が来る場合があります(オリコで乗ーるの中途解約は、6年以上なら満了2年前)。 契約年数の選び方も、長くすれば月額が下がるという形ではありませんでした(カーリースの月額、6年→7年で上がるのは101車種)。

長く乗る場合は、13年を超えると毎年の税が上がります(13年を超えた車の税は、2年で21,400円上がる)。

この記事の限界

中古車の額は出していません。 新車時の額に掛ける「総務大臣が定める割合」が告示で、e-Gov法令APIは法律・政令・省令しか返さないためです。

新車の額は「販売価額をそのまま課税標準とした場合」の計算です。 施行規則が定めるのは「通常の取引の条件で販売業者から取得する場合の販売価額に相当する金額」で、その額がいくらになるかまでは条文に書かれていません。実際に納めた額は、自治体が出した納税通知書で確かめてください。

自分の車が何%だったかは、条文からは分かりません。 1%・2%・3%の分かれ目は、排出ガスの基準への適合と、令和12年度・令和7年度・令和2年度などの基準エネルギー消費効率に対する達成度で決まります(第157条・第451条)。その車がどの数値だったかは条文には書かれていないので、税率の区分までは出せません。

「取得した日」がいつかも出せません。 条文に定義が無く、分かるのは申告・納付の期限(第160条・第454条)だけです。

附則の課税標準の特例は見ていません。 廃止前の附則には路線バスなどについて課税標準を下げる規定(附則第12条の2の13ほか)がありますが、この記事はそこまで追っていません。

自治体の条例は見ていません。 地方税法と地方税法施行規則の条文だけを見ています。

条文を取り直したのは2026年9月21日です。 この記事の条文の引用と数は、その日に e-Gov法令API から取ったものです。法律は改正されます。

廃止の理由は書いていません。 条文には理由が書かれていないためです。附則にあるのは財源を検討するという規定だけです。

訂正(2026年9月21日)

2026年9月21日より前のこの記事には、2つの誤りがありました。どちらも取り消します。

1つ目は、非課税の範囲です。 「第149条・第446条は、電気自動車・一定の天然ガス自動車・充電機能付電力併用自動車を非課税としていました」と書き、FAQでも「電気自動車は元から非課税だったのでは?」に「そのとおりです」と答えていました。足りませんでした。 第149条は6種類(基準を満たすガソリン自動車・石油ガス自動車・軽油自動車を含む)、第446条は3種類を挙げています。加えて、通常の取得価額が50万円以下の車は値段だけで非課税でした(第158条・第452条の免税点)。

2つ目は、額です。 「額は出せない」「掛ける相手が分からない」と書いていました。掛ける相手(課税標準)の算定方法は、地方税法ではなく総務省令(地方税法施行規則第九条の三・第十五条の十)にありました。それを取り直したので、新車については額を出せます。中古車の額を出せないことと、実際の販売価額が条文からは決まらないことは変わりません。

同じ日に、「税率を定めていた第157条・第451条も、課税標準を定めていた第156条・第450条もありません」というFAQの書き方も直しました。条番号そのものは廃止後の版にもあり、別の規定が入っています。 消えたのは条番号ではなく、環境性能割の規定です。

適用外になる時点(取得の日が2026年4月1日以後か否か)は、このとき新しく足したものです。


出典:地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)と地方税法施行規則(昭和二十九年総理府令第二十三号)。e-Gov法令API(laws.e-gov.go.jp/api/2)で law_revision_id 325AC0000000226_20260101_507AC0000000041・325AC0000000226_20260401_508AC0000000002・329M50000002023_20260101_507M60000008116 を取得したもの。語の数は附則を除く本則を数えている。

よくある質問

環境性能割はもう払わなくていいのですか?

地方税法の本則から規定が消えています。 2026年1月1日施行の版には「環境性能割」が206回出てきますが、2026年4月1日施行の版では0回です。ただし条番号が空いたわけではありません。 税率を定めていた第157条は「自動車税の納税義務の発生、消滅等に伴う賦課」に、課税標準を定めていた第156条は「自動車税の納期」に、中身が別の規定へ入れ替わっています(第450条・第451条も同じ)。条番号を引くと規定は出てきますが、環境性能割のものではありません。改正したのは令和8年法律第2号で、公布は2026年3月31日です。

「自動車税種別割」はどうなりましたか?

呼び名ごと無くなりました。 2019年に自動車税が「環境性能割」と「種別割」に分けられたときにできた名前です。環境性能割が廃止されたので分ける必要がなくなり、本則の「種別割」は128回すべて消えました(附則には残っています)。本則の「自動車税」(「軽自動車税」に含まれる分を除く)は24回から90回、「軽自動車税」は25回から69回に増えています。毎年の税そのものは残っています。

いつ買った車から、かからなくなりますか?

取得の日が2026年4月1日以後の車からです。 改正法(令和8年法律第2号)の附則第10条第2項に「施行日前の自動車の取得に対して課する自動車税の環境性能割については、なお従前の例による」とあり、軽自動車も附則第15条第2項に同じ文があります。施行日は2026年4月1日(附則第1条)。年度ではなく取得の時点で切れています。 2026年3月31日以前に取得した車は、廃止後も廃止前の条文どおりに扱われます。

いくら安くなりますか?

新車なら、販売価額の1〜3%です。 税率は燃費基準の達成度で1%・2%・3%(第157条・第451条)。掛ける相手(課税標準)は地方税法施行規則第九条の三が定めていて、新車は「通常の取引の条件に従つて自動車等の販売業者から取得するとした場合における当該自動車の販売価額に相当する金額」です。販売価額200万円なら1%で20,000円、2%で40,000円、3%で60,000円。自家用の軽自動車は附則の特例で3%が2%に読み替えられていたので、上限は2%でした。中古車の額は出せません。 新車時の額に掛ける「総務大臣が定める割合」が告示で、e-Gov法令APIでは取得できないためです。

非課税だったのは電気自動車だけですか?

2つの意味で、それだけではありません。 1つは車の種類による非課税です。第149条(自動車)は6種類を挙げていて、電気自動車と充電機能付電力併用自動車は条件なし、天然ガス自動車は排出ガスの基準を満たすもの、ガソリン自動車・石油ガス自動車・軽油自動車は排出ガスと燃費の両方の基準を満たすものでした。軽自動車の第446条は3種類で、電気軽自動車は条件なし、天然ガス軽自動車は排出ガスの基準、ガソリン軽自動車は排出ガスと燃費の両方です。もう1つは値段による非課税(免税点)で、通常の取得価額が50万円以下の車には課税できませんでした(第158条・第452条)。これらの車にとっては、廃止による変化はありません。

代わりの税ができるのですか?

条文には書かれていません。 改正法の附則第22条に「(自動車税の環境性能割及び軽自動車税の環境性能割の廃止に伴う財源の確保)」という見出しの規定があり、国は減収に対する「安定財源を確保するための具体的な方策について検討し、その結果に基づいて所要の措置を講ずる」とだけ書かれています。第2項に「前項の措置が講ぜられるまでの間」は地方団体の財政運営に支障が出ないよう財政上の措置を講ずるとありますが、代わりの税の名前も額も時期も条文にはありません。この記事が見ているのは2026年9月21日に取り直した条文だけです。 国会の審議や税制改正大綱、報道は見ていないので、条文の外で決まったことがあるかどうかは分かりません。