電気の割引7つを全部つけても、17か月中14か月は割高の計算
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この記事の根拠
- 独自集計 固定従量料金は東京エリアで1kWh22.00円(税込)、関西19.80円、北海道24.20円
- 独自集計 割引は7種類で、それぞれ1kWh0.55円(税込)。全部で3.85円になる
- 独自集計 JEPX東京エリアの月平均は丸1か月そろった17か月(2025年4月〜2026年8月)で14.62円/kWh(税抜)、最高21.24円、最低11.17円
- 独自集計 東京ガス基本プラン(30A・月300kWh)は支援ありで8,133円、支援終了後で9,183円。割引7つ適用の市場連動は17か月平均で10,268円
「基本料金0円」で「燃料費調整もなし」という電気があります。
代わりに、30分ごとの市場価格が乗ります。 さらに割引が7種類あり、全部つけると1kWhあたり3.85円引きになります。
では、全部つけたら安いのか。月300kWh・東京エリアで、過去の市場価格を当てはめて試算しました。比べる相手は、政府の電気料金支援が終わったあとの東京ガス基本プランです。実際の請求を比べたものではなく、仮定の計算です。

料金は4つでできている
公式ページに書かれている組み立てです。
| 中身 | |
|---|---|
| 固定従量料金 | 決まった単価 × 使用量 |
| 変動従量料金 | 30分ごとの市場価格 × その30分の使用量 |
| 再エネ賦課金 | 全社共通の単価 |
| 割引 | 割引単価 × 使用量 |
基本料金はありません。燃料費調整もありません。 燃料費の上下は、変動従量料金のほうに入ります。
固定従量料金はエリアで違いました(税込)。
| エリア | 固定従量料金 |
|---|---|
| 関西 | 19.80円 |
| 東京・東北・中部・北陸・中国・四国 | 22.00円 |
| 北海道 | 24.20円 |
割引は7つ、合わせて1kWh3.85円
| 割引 | 単価 | 条件 |
|---|---|---|
| マイホーム割引 | -0.55円 | 電気使用場所が持ち家 |
| ファミリー割引 | -0.55円(最大) | 世帯人数に応じて0.11円〜0.55円の5段階 |
| ペット割引 | -0.55円 | ペットと暮らしている |
| オール電化割引 | -0.55円 | オール電化住宅 |
| 太陽光割引 | -0.55円 | 太陽光発電がある |
| 蓄電池割引 | -0.55円 | 家庭用蓄電池がある |
| EV割引 | -0.55円 | 電気自動車がある |
全部で3.85円引き(ファミリー割引が最大の0.55円のとき)。 東京エリアなら、固定部分は22.00円から18.15円になります。
ただしどの割引も申し込みと審査が要ります。 ファミリー割引は世帯人数で5段階(0.11円〜0.55円)に分かれます。何人で何円になるかは取得できていません。持ち家で、ペットがいて、オール電化で、太陽光と蓄電池とEVがある——7つ全部に当てはまる人は多くありません。
月300kWhで計算する
4つのうち再エネ賦課金は計算に入れていません。 全社共通の単価で、比べる東京ガスにも同じだけ乗るからです。
変動従量料金には、JEPX(卸電力市場)の東京エリアの価格が乗ります。丸1か月そろった17か月(2025年4月〜2026年8月)の月平均は14.62円/kWh(税抜)、いちばん高い月が21.24円(2026年8月)、いちばん安い月が11.17円でした。取得日(2026年9月6日)までの7日分しか無い2026年9月は除いています。
割引を7つ全部つけた場合の1kWhあたりと、月300kWhの額です。
| 市場の水準 | 1kWhあたり | 月300kWh |
|---|---|---|
| 17か月平均 | 34.23円 | 10,268円 |
| いちばん安い月 | 30.44円 | 9,131円 |
| いちばん高い月 | 41.51円 | 12,454円 |
比べる相手は、基本料金のある東京ガスの基本プラン(30A・月300kWh)です。
| 月300kWh | |
|---|---|
| 東京ガス(支援あり:取得日2026年9月5日時点の燃料費調整−9.30円) | 8,133円 |
| 東京ガス(支援が終わったあと:燃料費調整−5.80円) | 9,183円 |
政府の支援は2026年9月使用分で終わる前提です。この記事の公開時点では、比べる相手は支援が終わったあとの額になります。
17か月平均の市場価格だと、割引を7つ全部つけても10,268円で、東京ガスより高い計算になりました。
安くなるのは市場が11.33円を下回ったとき
支援が終わったあとの東京ガス(9,183円)と並ぶ水準を逆算します。
9,183円 ÷ 300kWh = 1kWhあたり 30.61円(税込)
30.61円 − 18.15円(割引後の固定部分)= 12.46円(税込)
12.46円 ÷ 1.1 = 11.33円(税抜)
市場の平均が1kWh11.33円を下回った月なら、こちらが安くなります。 17か月のうち、下回ったのは3か月(2025年5月・2025年12月・2026年2月)でした。残りの14か月は、支援終了後の東京ガスより割高になる計算です。
支援ありの燃料費調整で計算した東京ガス(8,133円)と比べると、必要な水準は8.15円(税抜)まで下がります。17か月のうち、下回った月はありませんでした。
確かめること
- 自分が当てはまる割引はいくつか。 7つ全部を前提にした計算は、多くの人には当てはまりません
- 使う時間帯。 変動従量料金は30分ごとです。昼に太陽光で価格が下がる時間帯をどれだけ使うかで実額が動きます(市場連動型の電気は18時が最も高い。7時と12円差)
- 上限の有無。 公式ページで見つかったのは下限(0.01円)だけで、上限の記載はありません
基本料金0円の電気を別の会社で計算した記事もあります(電気の基本料金0円は月95kWhまでしか安くない)。
この記事の限界
月300kWh・30Aの1条件だけです。 使用量が変われば結論も変わります。基本料金が無いぶん、使用量が少ない月ほどこちらが有利になります。市場が17か月平均のままなら、支援終了後の東京ガス(30A)より安くなるのは月90kWhまでの計算です。
過去の市場価格を、支援終了後の東京ガスに当てはめた試算です。 過去の実際の請求どうしを比べたものではありません。
市場価格は月平均の単純平均です。 実際の請求は30分ごとの使用量で重み付けされます。昼にまとめて使う人は、この計算より安くなります。
割引を7つ全部つけた前提です。 条件に当てはまらない割引がある場合、その分だけ高くなります。
再エネ賦課金は両方から除いています。 全社共通の単価です。
東京ガス側は燃料費調整を含めた実質の単価で計算しています。 燃料費調整の単価そのものは会社ごとに算定式が違うので、数字だけ並べても比べられません(燃料費調整単価の比較は意味がない。16.05円ずれた理由)。
比較相手は1社です。 東京ガスの基本プラン(30A)と比べています。大手電力の規制料金(従量電灯B)とは条件が違います。
情報は記載の取得日時点のものです。料金と条件は変わります。契約前に公式の約款で確認してください。
出典:リボンエナジー公式サイトの料金単価ページ・割引プログラムページ、東京ガス「基本プラン」料金表、JEPX(日本卸電力取引所)スポット市場の約定結果(いずれも記載の取得日に取得)。