ふるさと納税の上限額は、住民税決定通知書で出せる
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この記事の根拠
- 独自集計 上限額は 所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円 で求められる
- 独自集計 所得割額20万円のときの上限額は、所得税率5%で49,117円、10%で52,132円、20%で59,488円になる
- 独自集計 上限を超えた分は、確定申告・所得税率10%の場合79.79%が自己負担になる
- 独自集計 ワンストップ特例では、上限を超えた分の90%が自己負担になる
ふるさと納税の上限額は、年収から推定しなくても、住民税決定通知書に載っている所得割額と、所得税率から出せます。
使う数字は「所得割額」ひとつ
毎年6月ごろに配られる住民税決定通知書(給与から天引きの人は「特別徴収税額の決定通知書」)を用意します。2026年6月ごろの通知書なら、2025年の所得に対する住民税の額です。
税額
市町村民税 所得割額 ◯◯◯◯◯円 ←
道府県民税 所得割額 ◯◯◯◯◯円 ← この2つを足す
都道府県民税と市区町村民税に分かれている場合は、2つを足した額が所得割額です。
式
総務省は控除額の計算式を公開しています。住民税の特例分について、こう書かれています。
(ふるさと納税額 - 2,000円)×(100% - 10%(基本分) - 所得税の税率)
そして、この特例分が住民税所得割額の2割を超える場合は、特例分は所得割額の20%で頭打ちになり、超えた分が控除されません。
つまり「2割ちょうど」になる寄附額が上限です。等号にして寄附額について解くと、こうなります。
上限額 = 所得割額 × 20% ÷ (90% − 所得税率 × 1.021) + 2,000円
1.021 は復興特別所得税ぶんです(原則として基準所得税額の2.1%、令和19年分まで)。総務省も、令和19年中の寄附までは所得税の税率に復興特別所得税の税率を加えると注記しており、式の「所得税の税率」を「所得税率×1.021」にしています。
所得税率は、課税所得に応じて国税庁の速算表で決まる税率(5%〜45%)です。下の表は5%〜33%の場合です。
所得割額ごとの上限額
横にスクロールできます
| 所得割額 | 税率5% | 税率10% | 税率20% | 税率23% | 税率33% |
|---|---|---|---|---|---|
| 50,000円 | 13,779円 | 14,533円 | 16,372円 | 17,034円 | 19,760円 |
| 100,000円 | 25,559円 | 27,066円 | 30,744円 | 32,068円 | 37,520円 |
| 150,000円 | 37,338円 | 39,599円 | 45,116円 | 47,101円 | 55,279円 |
| 200,000円 | 49,117円 | 52,132円 | 59,488円 | 62,135円 | 73,039円 |
| 300,000円 | 72,676円 | 77,197円 | 88,232円 | 92,203円 | 108,559円 |
| 500,000円 | 119,793円 | 127,329円 | 145,719円 | 152,338円 | 179,598円 |
自分の数字で計算する場合は、ふるさと納税の上限額シミュレータに所得割額を入れてください。
所得割額20万円の行で見ると、税率5%で49,117円、10%で52,132円、33%で73,039円です。所得税率が高いほど、同じ所得割額でも上限額は大きくなります。
年収からの早見表と何が違うか
年収から上限額を出す場合、途中で所得割額を推定することになります。
所得割額は次のもので変わります。
- 扶養している人の数
- 社会保険料(給与の額や加入している制度で変わる)
- 生命保険料控除、地震保険料控除
- 医療費控除
- iDeCoの掛金
同じ年収でも、これらが違えば所得割額は違います。 年収別の早見表は、これらを「標準的な場合」と置いた結果です。
通知書の所得割額は、前年の所得について実際に計算された額なので、この推定をしなくて済みます。
上限を超えた分は半分以上が自己負担
超えた分は、控除されずに自己負担になります。割合は、確定申告かワンストップ特例かと、所得税率で決まります。
| 所得税率 | 超過1円あたりの自己負担(確定申告) | 超過1円あたりの自己負担(ワンストップ特例) |
|---|---|---|
| 5% | 84.895% | 90.00% |
| 10% | 79.79% | 90.00% |
| 20% | 69.58% | 90.00% |
| 23% | 66.52% | 90.00% |
| 33% | 56.31% | 90.00% |
確定申告なら、所得税率が低い人ほど、超えたときの負担割合が大きくなります。 ワンストップ特例では、所得税の代わりに住民税から引かれる額(申告特例控除額)が、頭打ちになった特例分をもとに決まるので(地方税法 附則第7条の2)、超えた分に効くのは住民税の基本分の10%だけです。具体的な金額はふるさと納税の上限超え、自己負担は9,979円(確定申告の場合)で計算しています。
この計算の限界
通知書は前年の所得に対する額です。 今年の寄附の上限は今年の所得で決まるので、転職・退職・育休など収入が大きく動いた年はその分ずれます。
別の上限に先に当たることがあります。 控除の対象になる寄附額には、総所得金額等の40%(所得税)、30%(住民税の基本分)という上限も別にあります。所得に対して寄附額が非常に大きい場合は、そちらが先に効きます。
式に入れる所得税率は、所得税の計算で使う税率と違うことがあります。 総務省は「上記における所得税の税率は、個人住民税の課税総所得金額から人的控除差調整額を差し引いた金額により求めた所得税の税率であり、上記の所得税の税率と異なる場合があります。」と注記しています。
住宅ローン控除などがある人は、上限が低めに出ることがあります。 地方税法 第37条の2第11項では、2割の基準は調整控除を適用した後の所得割の額です。住宅ローン控除(住民税からの控除分)などを引いた後の額が通知書の所得割額の欄に載っている場合、その数字で計算すると上限額は実際より低く出ます。通知書の様式は市区町村で違うので、どの欄の数字かは市区町村に確認してください。
これは制度の一般的な説明です。個別の税額を判断するものではありません。 自分の控除額や申告の要否については、お住まいの市区町村か税務署、税理士にご確認ください。
出典:総務省「ふるさと納税のしくみ/税金の控除について」(2026年9月5日取得)、国税庁タックスアンサー No.2260「所得税の税率」(2026年9月5日取得)、地方税法 第37条の2・第314条の7・附則第7条の2・附則第7条の3(e-Gov法令検索、2026年9月14日取得)。