生活費の分岐点

ふるさと納税の上限額は、住民税決定通知書で出せる

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お金・制度 公開 2026-10-03 データ取得 2026-09-05

所得割額20万円・所得税率10%なら 52,132円まで 年収からの推定ではなく、通知書の実額から計算

この記事の根拠

  • 独自集計 上限額は 所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円 で求められる 総務省「ふるさと納税のしくみ/税金の控除について」の控除額の計算式(住民税の特例分が所得割額の2割を超えない、という条件)を寄附額について解いたもの / 2026-09-05取得
  • 独自集計 所得割額20万円のときの上限額は、所得税率5%で49,117円、10%で52,132円、20%で59,488円になる 同上の式に、国税庁タックスアンサーNo.2260の所得税の速算表の税率を入れて計算 / 2026-09-05取得
  • 独自集計 上限を超えた分は、確定申告・所得税率10%の場合79.79%が自己負担になる 総務省の式から、控除されずに残る割合(90%−所得税率×1.021)を計算 / 2026-09-05取得
  • 独自集計 ワンストップ特例では、上限を超えた分の90%が自己負担になる 地方税法 第37条の2第11項・第314条の7第11項・附則第7条の2・附則第7条の3(e-Gov法令API) / 2026-09-14取得

データの取得方法と計算の方針

ふるさと納税の上限額は、年収から推定しなくても、住民税決定通知書に載っている所得割額と、所得税率から出せます。

使う数字は「所得割額」ひとつ

毎年6月ごろに配られる住民税決定通知書(給与から天引きの人は「特別徴収税額の決定通知書」)を用意します。2026年6月ごろの通知書なら、2025年の所得に対する住民税の額です。

税額
  市町村民税  所得割額  ◯◯◯◯◯円   ←
  道府県民税  所得割額  ◯◯◯◯◯円   ← この2つを足す

都道府県民税と市区町村民税に分かれている場合は、2つを足した額が所得割額です。

式

総務省は控除額の計算式を公開しています。住民税の特例分について、こう書かれています。

(ふるさと納税額 - 2,000円)×(100% - 10%(基本分) - 所得税の税率)

そして、この特例分が住民税所得割額の2割を超える場合は、特例分は所得割額の20%で頭打ちになり、超えた分が控除されません。

つまり「2割ちょうど」になる寄附額が上限です。等号にして寄附額について解くと、こうなります。

上限額 = 所得割額 × 20% ÷ (90% − 所得税率 × 1.021) + 2,000円

1.021 は復興特別所得税ぶんです(原則として基準所得税額の2.1%、令和19年分まで)。総務省も、令和19年中の寄附までは所得税の税率に復興特別所得税の税率を加えると注記しており、式の「所得税の税率」を「所得税率×1.021」にしています。

所得税率は、課税所得に応じて国税庁の速算表で決まる税率(5%〜45%)です。下の表は5%〜33%の場合です。

所得割額ごとの上限額

5万円 5万円: 14,533円 14,533円 10万円 10万円: 27,066円 27,066円 15万円 15万円: 39,599円 39,599円 20万円 20万円: 52,132円 52,132円 30万円 30万円: 77,197円 77,197円 50万円 50万円: 127,329円 127,329円
住民税の所得割額ごとの、ふるさと納税の上限額(所得税率10%の場合)。所得割額20万円なら52,132円。同じ所得割額20万円でも、所得税率5%なら49,117円、33%なら73,039円。総務省「税金の控除について」の計算式から算出。

横にスクロールできます

所得割額 税率5% 税率10% 税率20% 税率23% 税率33%
50,000円 13,779円 14,533円 16,372円 17,034円 19,760円
100,000円 25,559円 27,066円 30,744円 32,068円 37,520円
150,000円 37,338円 39,599円 45,116円 47,101円 55,279円
200,000円 49,117円 52,132円 59,488円 62,135円 73,039円
300,000円 72,676円 77,197円 88,232円 92,203円 108,559円
500,000円 119,793円 127,329円 145,719円 152,338円 179,598円

自分の数字で計算する場合は、ふるさと納税の上限額シミュレータに所得割額を入れてください。

所得割額20万円の行で見ると、税率5%で49,117円、10%で52,132円、33%で73,039円です。所得税率が高いほど、同じ所得割額でも上限額は大きくなります。

年収からの早見表と何が違うか

年収から上限額を出す場合、途中で所得割額を推定することになります。

所得割額は次のもので変わります。

  • 扶養している人の数
  • 社会保険料(給与の額や加入している制度で変わる)
  • 生命保険料控除、地震保険料控除
  • 医療費控除
  • iDeCoの掛金

同じ年収でも、これらが違えば所得割額は違います。 年収別の早見表は、これらを「標準的な場合」と置いた結果です。

通知書の所得割額は、前年の所得について実際に計算された額なので、この推定をしなくて済みます。

上限を超えた分は半分以上が自己負担

超えた分は、控除されずに自己負担になります。割合は、確定申告かワンストップ特例かと、所得税率で決まります。

所得税率 超過1円あたりの自己負担(確定申告) 超過1円あたりの自己負担(ワンストップ特例)
5% 84.895% 90.00%
10% 79.79% 90.00%
20% 69.58% 90.00%
23% 66.52% 90.00%
33% 56.31% 90.00%

確定申告なら、所得税率が低い人ほど、超えたときの負担割合が大きくなります。 ワンストップ特例では、所得税の代わりに住民税から引かれる額(申告特例控除額)が、頭打ちになった特例分をもとに決まるので(地方税法 附則第7条の2)、超えた分に効くのは住民税の基本分の10%だけです。具体的な金額はふるさと納税の上限超え、自己負担は9,979円(確定申告の場合)で計算しています。

この計算の限界

通知書は前年の所得に対する額です。 今年の寄附の上限は今年の所得で決まるので、転職・退職・育休など収入が大きく動いた年はその分ずれます。

別の上限に先に当たることがあります。 控除の対象になる寄附額には、総所得金額等の40%(所得税)、30%(住民税の基本分)という上限も別にあります。所得に対して寄附額が非常に大きい場合は、そちらが先に効きます。

式に入れる所得税率は、所得税の計算で使う税率と違うことがあります。 総務省は「上記における所得税の税率は、個人住民税の課税総所得金額から人的控除差調整額を差し引いた金額により求めた所得税の税率であり、上記の所得税の税率と異なる場合があります。」と注記しています。

住宅ローン控除などがある人は、上限が低めに出ることがあります。 地方税法 第37条の2第11項では、2割の基準は調整控除を適用した後の所得割の額です。住宅ローン控除(住民税からの控除分)などを引いた後の額が通知書の所得割額の欄に載っている場合、その数字で計算すると上限額は実際より低く出ます。通知書の様式は市区町村で違うので、どの欄の数字かは市区町村に確認してください。

これは制度の一般的な説明です。個別の税額を判断するものではありません。 自分の控除額や申告の要否については、お住まいの市区町村か税務署、税理士にご確認ください。


出典:総務省「ふるさと納税のしくみ/税金の控除について」(2026年9月5日取得)、国税庁タックスアンサー No.2260「所得税の税率」(2026年9月5日取得)、地方税法 第37条の2・第314条の7・附則第7条の2・附則第7条の3(e-Gov法令検索、2026年9月14日取得)。

よくある質問

ふるさと納税の上限額はどうやって計算しますか?

住民税の所得割額から計算できます。 式は上限額=所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円です。総務省が公開している控除額の計算式で、住民税の特例分が所得割額の2割ちょうどになる寄附額を求めたものです。所得割額20万円・所得税率10%なら52,132円になります。当サイトの上限額シミュレータに所得割額を入れると計算できます。

住民税の所得割額はどこを見ればいいですか?

住民税決定通知書(給与から天引きの人は「特別徴収税額の決定通知書」)です。毎年6月ごろに配られます。「税額」の欄にある所得割額の数字を使います。都道府県民税と市区町村民税に分かれている場合は、2つを足した額です。手元に無い場合はお住まいの市区町村で確認できます。

年収から計算する早見表とは何が違いますか?

推定が1つ減ります。 年収から上限額を出すには、途中で所得割額を推定する必要があります。所得割額は扶養の人数、社会保険料、生命保険料控除、医療費控除などで変わるため、同じ年収でも人によって違います。通知書の所得割額は、前年の所得について実際に計算された額です。ただし今年の所得で決まる上限とは、収入や控除が変わった分だけずれます。

上限を超えて寄附するとどうなりますか?

超えた分の半分以上が自己負担になります。 確定申告をした所得税率10%の人なら、超過分の79.79%が控除されません。確定申告なら所得税率が低いほど負担割合は大きく、5%なら84.895%、33%なら56.31%です。ワンストップ特例を使った場合は、所得税率にかかわらず**90%**です(所得税率5%〜33%で計算)。超えたときにいくら負担になるかはふるさと納税の上限超え、自己負担は9,979円(確定申告の場合)で計算しています。