スマホの「光セット割1,100円引き」は、実質330円だった
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この記事の根拠
- 独自集計 セット割の適用に必要な光回線側オプション費を差し引くと、実質の割引額はauひかり330円・SoftBank光550円・ドコモ光1,210円と3.7倍の開きがある
- 独自集計 戸建2年総額は最安115,104円から最高154,974円まで約4万円の差があり、最安の1社だけが工事費・初期費用を構造的に持たない
携帯会社の料金ページには、たいてい「光回線とセットでスマホが月1,100円引き」と書かれています。
その割引を受けるために光回線側で何を契約する必要があるかを、各社の条件ページで確認しました。割引額から、その条件を満たすための費用を引いてみます。
セット割の実質額
| 事業者 | 表示上の割引 | 光回線側に必要な契約 | その費用 | 実質 |
|---|---|---|---|---|
| ドコモ光 | -1,210円 | なし | 0円 | -1,210円 |
| SoftBank 光 | -1,100円 | 光BBユニット+Wi-Fiマルチパック+BBフォン | +550円 | -550円 |
| auひかり | -1,100円 | ひかり電話(ネット+電話が必須) | +770円 | -330円 |
| ahamo光 | 0円 | — | 0円 | 0円 |
auひかりの「1,100円引き」は、実質330円です。 auスマートバリューの適用条件が「ネット+電話のセット契約」なので、月770円のひかり電話を契約し続ける必要があります。
au公式ページの注記にも、こう書かれています。
加入例)auひかりホーム・ずっとギガ得プラン(契約期間3年)の場合、基本料金5,610円/月+電話月額利用料 770円/月が別途必要です。
SoftBank 光も同様で、おうち割 光セットには「光BBユニット+Wi-Fiマルチパック+BBフォン」の3点が必須です。セット料金550円で提供されますが、おうち割が外れると同じ3点が1,602円になります。
一方ドコモ光には追加オプションの条件がありません。同一ファミリー割引グループ内にドコモ光の契約が1回線あれば適用され、ひかり電話も指定オプションも不要です。3社の中でここだけ条件が違います。
工事費「実質無料」は、無料ではない
もう1つ、各社の表記で見落としやすい点があります。
| 事業者 | 工事費 | 相殺の方式 | 回収完了まで | 途中解約 |
|---|---|---|---|---|
| ドコモ光 | 28,600円 | dポイント24か月分割 | 31か月 | 残債を一括請求 |
| SoftBank 光 | 47,520円 | 月額割引1,980円×24か月 | 31か月 | 残債を一括請求 |
| auひかり | 48,950円 | 月額割引(ネット+電話分) | 35か月 | 残債を一括請求 |
| Fon光 | 49,500円 | 月額割引1,375円×36か月 | 36か月 | 残債を一括請求 |
| おてがる光 | 22,000円 | 月額割引2,000円×11回 | 11か月 | 残債を一括請求 |
| BB.excite光 | 0円 | — | 不要 | 残債なし |
ドコモ光とSoftBank 光は、割引の開始が「利用開始の7か月後」からで、そこから24か月かけて相殺します。合計31か月です。2年契約が満了しても、まだ工事費は相殺しきれていません。
auひかりはさらに注意が要ります。割引総額48,950円の内訳が「ネットサービス分」と「電話サービス分770円×35か月」に分かれており、ひかり電話を35か月契約し続けないと工事費を相殺しきれません。セット割の条件と工事費の相殺条件が、どちらもひかり電話に結び付いています。
BB.excite光 Classic だけは、この論点自体が存在しません。 公式ページにこう明記されています。
月額料金以外に、初期費用・工事費・契約事務手数料・解約時の費用などは一切かかりません。
2年総額で並べる
月額×24か月+事務手数料+工事費から、24か月時点で相殺できた分を引いた額です(戸建)。
| 事業者 | 月額 | 2年総額 | 契約期間 |
|---|---|---|---|
| BB.excite光 Classic | 4,796円 | 115,104円 | 縛りなし |
| おてがる光 | 4,708円 | 116,292円 | 縛りなし |
| ahamo光 | 4,950円 | 130,208円 | 2年自動更新 |
| Fon光 | 4,928円 | 138,072円 | 3年自動更新 |
| ドコモ光 | 5,720円 | 148,688円 | 2年自動更新 |
| SoftBank 光 | 5,720円 | 152,960円 | 2年自動更新 |
| auひかり | 5,610円 | 154,974円 | 3年自動更新 |
最安と最高で約4万円の差があります。
ここで冒頭のセット割に戻ります。auひかりを選んでスマホが実質330円引きになっても、光回線の2年総額はBB.excite光より39,870円高い。330円×24か月=7,920円の割引を得るために、約4万円多く払う構図になります。
ただし、これで「大手は損」とは言えません
セット割はスマホ側の割引です。すでに光回線が必要で、家族が同じキャリアを使っているなら、割引はそのまま上乗せになります。ドコモ光のように追加条件がない場合は特にそうです。
問題になるのは、セット割を目当てに光回線を契約する判断です。月1,100円引きに見える数字が、実際には330円だったり、そのために年間4万円高い回線を選ぶことになったりします。
判断の順序としては、まず光回線を単体の総額で選び、そのうえでセット割が乗るなら加える、という形が正しくなります。逆順にすると、割引額の見かけに引きずられます。
縛りなしを選ぶ場合
上位2社(BB.excite光・おてがる光)は契約期間の縛りも解約金もなく、2年総額の差も1,188円しかありません。実質的には接続方式で選ぶことになります。
BB.excite光 Classic は IPv4 PPPoE です。公式に「BB.excite"唯一"のPPPoE光回線」と明記されています。混雑時間帯の速度低下が起きやすい方式なので、夜間に動画やオンラインゲームを使うなら確認が必要です。おてがる光は IPv6(v6プラス)のオプションがあり、ルーターレンタル申込時は永年無料と案内されています。
初期費用が完全にゼロなのはBB.excite光だけです。短期で解約する可能性があるならこちらが安全です。
この記事の限界
マンションの料金は建物によって変わります。 特にauひかりはタイプ(V/G/E/F等)と建物の契約戸数で料金が異なり、本記事の4,180円は「タイプV・16契約以上」の場合です。自分の建物がどのタイプかは申込前に確認が必要です。
SoftBank 光は2026年12月1日に月額+330円の改定が予定されています。 公式に告知済みです。上の総額はこの改定を含んでいません。
おてがる光のキャンペーン適用期間が確認できませんでした。 公式ページに「キャンペーン期間:2024年5月30日まで」という記載が残っている一方、同じページのタイトルは「実施中」となっており、矛盾しています。工事費実質無料が現在も適用されるかは、申込前に問い合わせてください。
Fon光のセット割条件は未確認です。 ソフトバンクのおうち割に対応と記載がありますが、必要なオプションと費用がページ上に見当たりませんでした。
auひかりの表示価格は口座振替・クレジットカード払いの場合です。 窓口払いだと別途473円/月かかります。またauひかりは解約時に撤去工事を希望すると31,680円が発生します。
料金は改定されます。この記事の数値は記載の取得日時点のもので、契約前には必ず各社の公式情報を確認してください。
出典:各社公式サイトの料金ページおよびセット割適用条件ページを取得して集計。