生活費の分岐点

ふるさと納税1万円で自治体に残るのは5,207円

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お金・制度 公開 2026-09-24 データ取得 2026-09-04

1万円の寄付のうち自治体に残るのは 5,207 残り4,793円は返礼品・送料・事務などの経費

この記事の根拠

  • 独自集計 令和7年度のふるさと納税の募集経費は受入額の47.9%で、1万円の寄付のうち自治体に残るのは5,207円である 総務省「ふるさと納税に関する現況調査」令和7年度の各自治体データから、団体コードを持つ実在の自治体1,788団体の受入額と経費を集計 / 2026-09-04取得
  • 独自集計 ポータルサイト運営事業者へ支払われた費用は受入額の18.3%(2,433億円)である 同調査の「左記の内、ポータルサイト運営事業者に支払った費用」欄を集計 / 2026-09-04取得

データの取得方法と計算の方針

ふるさと納税の記事は返礼品の話ばかりですが、自治体側がいくら使っているかの実額も公表されています。

令和7年度の全1,788団体を集計しました。1万円を寄付すると、自治体に残るのは5,207円でした。

説明漫画。1万円の寄付で、自治体に残るのは5,207円。1万円−経費4,793円=5,207円
数字の出典:総務省「ふるさと納税に関する現況調査」令和7年度

1万円の行き先

自治体に残る 自治体に残る: 5,207円 5,207円 返礼品の調達 返礼品の調達: 2,650円 2,650円 事務 事務: 1,355円 1,355円 返礼品の送付 返礼品の送付: 568円 568円 決済等 決済等: 147円 147円 広報 広報: 70円 70円
1万円を寄付したとき、その内訳がどこへ行くか。令和7年度の全国1,788団体の実額から計算。経費の合計は47.9%で、この調査の数字で見ると、国が定めた上限50%の内側にある。
費目 1万円あたり 受入額に対する割合
自治体に残る 5,207円 52.1%
返礼品の調達 2,650円 26.5%
事務 1,355円 13.6%
返礼品の送付 568円 5.7%
決済等 147円 1.5%
広報 70円 0.7%
その他 3円 0.0%
経費の合計 4,793円 47.9%

割合は四捨五入のため、足しても合計と一致しません。

国は募集にかかる経費を受入額の50%以内と定めています。この調査の数字で見ると、全国平均の47.9%はその内側です。

サイト運営会社へ2,433億円

総務省の調査では、経費のうちポータルサイト運営事業者に支払った分が別に集計されています。

金額 受入額に対する割合 1万円あたり
ポータルサイト運営事業者へ 2,433億円 18.3% 1,828円

この1,828円は、上の費目の表とは別の数え方です。 経費4,793円のうち支払先がサイト運営会社だった分を数え直したもので、費目と重なっています。表の費目に足したり、費目と大小を比べたりはできません。

寄付する人がサイトを経由して申し込む構造なので、サイト運営会社へ払った分が受入額の2割近くを占めています。

受入額10億円以上の団体で、15.6%から59.2%まで開く

受入額10億円以上の335団体で比べました。

自治体 受入額 経費率
低い3団体 千葉県 千葉市 22億円 15.6%
大阪府 高槻市 16億円 26.6%
大阪府 大阪市 16億円 31.5%
高い3団体 佐賀県 伊万里市 17億円 59.2%
佐賀県 多久市 10億円 55.7%
岩手県 花巻市 70億円 52.5%

高いほうの3番目は、長野県 中野市(36億円)も花巻市と同じ52.5%です。

自治体に残る割合にすると84.4%と40.8%で、同じ1万円でも届く額は2倍ほど違います。

ここからは受入額の条件を外した話です。全1,788団体では、82団体が50%を超えていました。 この調査の経費と、国の50%の基準とで数え方が同じかは確認していないため、基準に反しているかどうかまでは言えません。

寄付する側の負担は変わらない

控除の上限の範囲で寄付するなら、経費率が高くても、寄付する人の支払額と返礼品は変わりません。 変わるのは自治体の手取りです。

ただし目的によって意味が変わります。

目的 経費率を気にするか
返礼品が欲しい 気にしなくてよい。負担も返礼品も変わらない
地域を応援したい 気にする意味がある。同じ1万円でも届く額が2倍ほど違う

「応援したい自治体がある」場合は、その自治体の経費率を見ると、1万円のうちいくら届くかが分かります。総務省の調査は自治体ごとに公表されています。

この記事の限界

集計対象は団体コードを持つ実在の自治体1,788団体です。 元データには合計行が混在しており、そのまま足すと重複します。ここでは合計行を除き、受入額の合計が総務省の公表値と一致することを確認しています。

経費は自治体の申告値です。 費目の分け方に自治体ごとの解釈の差がある可能性があります。サイト運営会社へ払った分(1,828円)は事務(1,355円)より大きく、複数の費目にまたがって入っています。

「自治体に残る」は寄付分だけの話です。 ふるさと納税では、寄付を受ける自治体と、住民税が控除されて減る自治体があります。制度全体での税収の増減はここでは扱っていません。

令和7年度の1年分です。 経費率は制度改正で変わる可能性があります。

個別の自治体の順位は受入額10億円以上に限っています。 受入額が小さい団体では、少額の固定費で経費率が大きく動くためです。

情報は記載の取得日時点のものです。


出典:総務省「ふるさと納税に関する現況調査」令和7年度(各自治体の受入額・募集に要する費用)を取得して集計。

よくある質問

ふるさと納税の寄付は、どれくらい自治体に残りますか?

1万円の寄付につき5,207円です。令和7年度の全1,788団体の実額から計算しました。経費が47.9%を占めるためで、内訳は返礼品の調達2,650円、事務1,355円、返礼品の送付568円、決済等147円、広報70円です。国は経費を受入額の50%以内と定めており、この調査の数字で見ると、全国平均はその内側です。

ふるさと納税サイトにはいくら払われていますか?

受入額の18.3%、金額にして2,433億円です。総務省の調査では「ポータルサイト運営事業者に支払った費用」として、経費のうちサイト側へ渡った分が別に集計されています。1万円の寄付なら1,828円にあたります。これは費目(返礼品の調達・事務など)とは別の、支払先で数えた額で、費目と重なっているため、費目と足したり大小を比べたりはできません。

経費率は自治体によって違いますか?

違います。受入額10億円以上の335団体で見ると、最も低いところで15.6%、高いところで**59.2%**でした。全1,788団体では、50%を超えた団体が82あります(国の基準と数え方が同じかは確認していません)。団体ごとに内訳のどこが違うのかまでは調べていません。

経費が高い自治体に寄付するのは損ですか?

控除の上限の範囲で寄付するなら、経費率によって寄付する側の負担は変わりません。 経費率は自治体の手取りが減るという話で、寄付者が払う額や受け取る返礼品は変わりません。ただし「地域を応援したい」という目的で寄付する場合、同じ1万円でも自治体に届く額が変わるという事実は判断材料になります。